雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

CASA BRUTUS カフェとロースター

つい買ってしまう、コーヒー特集。

あとカレー特集も。

 美味いコーヒーというより、カフェという空間が気になる。

Casa BRUTUS(カ-サブル-タス) 2018年4月号 [カフェとロースター]

Casa BRUTUS(カ-サブル-タス) 2018年4月号 [カフェとロースター]

 

 

御馳走帖/内田百閒

先月に突然風邪をひいて寝込んだ際に再読。

2日で読みきれずにようやく読了。

相変わらずの百鬼園先生の語りが、病人には優しかった。

 

御馳走帖 (中公文庫)

御馳走帖 (中公文庫)

 

 

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち/田中圭一

 何だか調子が良くない、病気というほどではないと思うんだけど、何もかもがつまらなくなってしまうときがある、という日常が続いていて、ふと久しぶりに行った本屋で見つけた本。

田中圭一のことは、コミックキューなどで目にしていたが、あまり読んだことは無かった。

そして、それ以上に鬱なんて、ネットスラングで使うぐらいにしか考えて無かったけれど、読んでみると、案外、自分にも当てはまる部分があることに気付いた。

思えば、不惑をとうに過ぎもうすぐ知命

他人と比べることに意味が無いことは頭で分かっていても、同年代や同じ立場の他人と比べ、上を見て下を見て横目で見ながら遠くに眼を凝らす。

結局は、リアルだろうがネットだろうが、社会やコミュニティの中にいる。

他人と過ごして何も思わないということは不可能なのだけれど、それを吐き出さずに飲み込み続けている自分を発見する。

それが、このところ続いている不調の原因なのかもしれない、と思い当たった。

この本でそんな気持ちが少しだけ楽になった。

たぶんまだ大丈夫だろう。

 

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

 

 

鍵/谷崎潤一郎

本当は電子書籍版の全集で読んだのだけれど、そのことをいちいち言うのもどうかと思って、これからは気になったものだけ取り上げようかと思う。

「鍵」は何度も映画化もされているから、有名な作品だろう。

読まれないように小細工をしながら、読まれることを前提に日記を書き、木村という第三者を触媒に、互いの欲望を探り合う夫婦の話。

互いの日記で構成され、繰り出されてくる谷崎の言葉は、どこまでも下世話だ。

秘密めいた倒錯した愉しみを描く谷崎の言葉のなんと活き活きとしている事か。

 

鍵 (中公文庫 (た30-6))

鍵 (中公文庫 (た30-6))

 

 

 

鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫)

鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫)

 

 

 

 

女の人差し指/向田邦子

何だか向田邦子が気になる。

たぶん同年代に近くなった。

向田邦子のエッセイに、親近感のようなものを覚えているような気がする。

何とはないようなことなのだが、それでも読ませる文章だと思う。

内容ではなく(とは言えゼロではないが)書きっぷりで読ませるというのはやはりプロのテクニックなのだと思うが、そこに至る人間としての深みのようなものがあるに違いない。

それはそれまでの経験だったり、普段からの思慮だったりするのだろう。

つまりエッセイに書けるだけの経験を積んでいる結果なのだろうと思うと、一方で自分はどうなのかと思う。

書き手と読み手の距離が近くなってきたからこそ、書いている文章というより、その背後の書き手が気になる。

もちろん同じであるわけもなく、違うからこそ読み甲斐がある。

読み甲斐があるからこそ、焦燥感にも似た感じがする。

 

新装版 女の人差し指 (文春文庫)

新装版 女の人差し指 (文春文庫)

 
女の人差し指 (文春文庫)

女の人差し指 (文春文庫)

 
女の人差し指 (文春文庫)

女の人差し指 (文春文庫)

 

 

発想力獲得食/眉村卓

ジュブナイルではない眉村卓を読んでみたくて借りてみた。

この本は食にまつわるショートショートである。

SFっぽいのもあればそうでないものもある。

どの話もちょっと洒落ていて、ユーモアがある。

もう少し読んでみようかと思った。

 

発想力獲得食 (双葉文庫)

発想力獲得食 (双葉文庫)

 

 

マルドゥック・フラグメンツ/ 冲方丁

冲方丁が気になって、もう一冊借りてきた。

この前のはエッセイのようなものだったので、時代小説かSFか。

だがいきなり長編世界に飛び込むのは気が引けたので、短編集に手を出した。

だがこの選択は、結果的には失敗だった。

この本はマルドゥックシリーズの各長編のインテルメッツォ的な位置にあって、物語背景は長編に依存している。

だから、物語に入り込めず、また消化不良な終わり方のように見えてしまう。

 

マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)

マルドゥック・フラグメンツ (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-11)