雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

父・こんなこと/幸田文

幸田文は幸田露伴の次女である。 従ってこの「父」とは幸田露伴のことである。 幸田露伴の臨終記ともいえる表題作、その亡き父の思い出を語る随筆である。 幸田文の語り口は、東京の下町の喋りの息遣いが感じられる。 たぶん、言葉使いだけじゃなく、その背…

チベット旅行記/河口慧海

読了まで何ヶ月かかっただろうか。 まぁ、長い旅行記である。 それだけ道中の出来事やら沢山あるのだが、事の仔細が、上から目線なのが気になった。 明治維新の矜持を前提に他国を眺めているので、それはもう酷い言い様である。 冒険記として、或いは民俗学…

木/幸田文

幸田文をもう一冊。 今回も図書館で借りたのだけど、こちらの方が気になっていたのだった。 タイトルの通り、木に関する随筆である。 雑学を披露するでもなく、淡々と木に対する印象や描写で綴られ、作者の思いが込められる。 随筆とは随想、つまり心に浮か…

雀の手帖/幸田文

幸田文は幸田露伴の娘、と書いてみても、もはや幸田露伴の読者なんて、学生か年寄りだろうか。 ましてや、娘の幸田文なんて読まれていないような気がしてならない。 この随筆(あえてエッセイとは言わないでおこう)は、新聞に日々掲載されたもののようだ。 …

自分を信じていい時代/モーリー・ロバートソン

電子書籍をふらっと買ってしまった。 モーリー・ロバートソンは、週末深夜のFMでオルタナ系の電子音楽をかけるイメージしか持っていなかったのだけれど、最近はTwitterで発言をみかけたり、TVにも出ているようだ。 そんなモーリーが本を出していたので、ちょ…

フラット化する世界のマネジメント/スーザン・ブロック&フィリップ・ホワイト

この本もまた図書館で借りた。 改めてビジネス書を読んでみたものの、いまいちピンとこない。 ビジネスにおいて様々な国、人、習慣を組み合わせて活動することのノウハウをまとめた本である。 それだけのことに、フラットという言葉を使ってしまうことのほう…

定年後の人生を変えるアドラー心理学/八巻秀

この本もまた図書館で借りた。 老いの問題とは何なのか、残された時間を意識しながら生きるということはどういうことなのか、アドラー心理学の考えを用いて一つの答えを導いているように思った。 環境が変わり、対人関係が変わることで直面する問題に対して…

日本一わかりやすいアドラー心理学入門/谷口のりこ、土居一江

この本もまた図書館で借りた。 前からちょっと気になっていたアドラー心理学をちょっと読んでみようと思った。 とはいえ、いきなり専門書に手を出すほどうぬぼれてもいない。 ちょっとした入門書で、概要がつかめれば、と借りた。 読んでみると、なるほど流…

湾岸道路/片岡義男

とても奇妙な物語だ。 主人公は美人だが金銭感覚の無い妻と、スポーツジムのインストラクターでカッコイイ事が判断基準の夫、という組み合わせだ。 まず目につくのは、二人共、会話が恐ろしく短い。 ほとんど単語で会話をして、自分語りなどしない。 だが、…

雨の日には車をみがいて/五木寛之

初めて五木寛之の小説を読んだ。 雑に言ってしまえば、主人公の女性遍歴と車遍歴をテーマにした短編集というところだろうか。 だが、それぞれの車についての印象もさることながら、様々な女性との付き合い方も面白い。 それは恋愛に至るまでの過程だったり、…

泰平ヨンの未来学会議/スタニスワフ・レム

レムの泰平ヨンシリーズを借りてみた。 未来学会議でテロに巻き込まれ、脳移植を経て未来世界で目を覚ますと、そこはドラッグ漬けの世界で、というドタバタSF。 ドラッグ社会を批判しているとかって感想も見るが、批判しているだろうか。 むしろ、現実とは何…

沖縄生活誌/高良勉

この方の著作を読むのは初めてだと思っていたら、吉本隆明の南島論の著作「琉球弧の喚起力と南島論」で共同執筆されていた。 この本は、一言でいうなら、四季を通じて沖縄の慣習等を紹介する本だ。 正月に始まり大晦日に至る沖縄の一年を、フィールドワーク…

夏への扉/ロバート・A・ハインライン

何故か、この本を読んでいなかった。 SFの入り口がウェルズ、ヴェルヌ、小松左京、眉村卓であった小中学生の頃、長編は長すぎるからだろう。(小松左京の長編も、ほとんど未読) なので、ちょっと読んでみようかという気になった。 読んでみたら面白い。 中…

きょうも上天気/浅倉久志 訳、大森望 編

ふと図書館で眼についたので借りてみた。 浅倉久志が翻訳したSFの短編のアンソロジーである。 バラードやヴォネガットの作品は、以前読んだことがあったが、あまりピンとくる作品がなかった。 久しぶりに活字を読んだので、読めてないのかもしれない。 きょ…

失敗の本質/戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎

ちょっと気になっていたので買ってみた。 旧日本軍の作戦失敗の原因を、組織論で解説する、という本。 どっちかというと、歴史読み物というよりは、ビジネス書である。 学習する組織だとか、意思疎通だとか、そう言うのが気になる人向きかと思う。 逆に、何…

ロック読本/渋谷陽一 選

某大手の古本チェーン店で叩き売りされていたので買ってみた。 福武文庫を叩き売りするなんて、最高すぎる。 まぁ、世間では本を読まないらしいので、そんなことで喜んでいるのだって変人扱いなんだろう。 執筆陣は渋谷陽一を始めとする音楽ライターだけでな…

持たない幸福論/pha

年末に期限切れになる楽天ポイントが貯まってたので、今まで読んでなかったようなものを、ちょっと読んでみようかと探していて気になった1冊。 ちょっと著者の方はネット上では知っていたが、本を出していることは知らなかった。(ネットを表面的にしか見て…

プリニウス/ヤマザキマリ、とり・みき

Koboでキャンペーンで無料だったのでついポチッと。 古代ローマの博物学者の伝記マンガ、といったところか。 プリニウスの変人ぷりをネタにしている、と言うと、どうやらちょっと違うようで、ネロとの関係も今後展開されるような伏線が張ってある。 ともあれ…

翔んで埼玉/魔夜峰央

家に置いてあったので、読んでみた。 まぁ、らしいっちゃあらしいマンガである。 ギャグマンガの感想など書くものじゃない。 このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉 (Konomanga ga Sugoi!COMICS) 作者: 魔夜峰央 出版社/メーカー: 宝島社 発売日: 2015/12/2…

ひとり暮らし/谷川俊太郎

久しぶりに谷川俊太郎を読み返してみる。 詩人としてというより、理想的な老後の生活を送っている先輩として、という感じがしている。 変化し続ける世界と、老いていく自分との関係は、難問だという気もするし、大したことではない気もする。 だが、確実なの…

青猫/萩原朔太郎

やっと読み終えた。 本編より、付録の詩論の方が面白かった。 青猫 作者: 萩原朔太郎 発売日: 2012/09/27 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る

日本の面影/ラフカディオ・ハーン

久しぶりに、ラフカディオ・ハーンを読む。 この本はハーンの日本賛美の本である。 そうでない読み方ができないぐらい、日本を持ち上げているので、読んでいる方が気恥ずかしくなるくらいだ。 それにしても、いつから日本賛美のTVが、こんなに溢れているのだ…

再婚者・弓浦市/川端康成

表題作の「弓浦市」は、主人公の小説家のもとに、見知らぬ女性が訪れ、かつての弓浦市での思い出語りをする、という短篇である。 女性に見覚えもないうえ、弓浦市などという地名は存在しない、というなんとも薄気味の悪い話である。 この本に収められている…

おつまみ一行レシピ/やまはたのりこ

実はまだ読んでいない。 店頭で買おうか買うまいか、しばらく悩んで買わずに帰った。 しかし、これは買うと思う。 短歌のような1行にレシピがまとめられており、写真も良く、記憶に残った。 おつまみ一行レシピ ~きき酒師がつくる酒の肴136品~ (マイナビ文庫…

オホーツクの古代史/菊池俊彦

北には何かしら魅かれるものがあるようだ。 北海道から連なる千島列島、カムチャッカ半島、樺太、アリューシャン列島、オホーツク海を、子供の頃、地図で眺めていた。 やがて、アルセーニエフの「デルス・ウザーラ」を読み、そこに登場するシベリアの少数民…

忘れられた島々「南洋群島」の現代史/井上亮

子供のころ、東京から遠く離れたミクロネシアの島々を、地図で辿ったりした。 アメリカの信託統治領が何であるかも知らず、太平洋に点在する島々に思いを馳せていた。 この本は日本が進出し、太平洋戦争を引き起こし、そしてアメリカの信託統治となった昭和…

寺山修司青春歌集

ちょっと気恥ずかしいタイトルだが、寺山修司の20代の短歌作品集である。 寺山修司の短歌の叙情は、安っぽくて、ステレオタイプで、大げさな、まるでTVドラマのような世界が、31文字の中に籠められている。 それは、コントラストが強く、ポップな色彩に彩ら…

美しい星/三島由紀夫

ミシマの作品の中でも、異色な作品。 自らを異星人だと信じている一家の物語である。 この物語がイカれているのは、自らを異星人だと信じているのはこの一家だけではない。 それぞれが異星人であるという出自を根拠に、とても人間らしい振る舞いなのだが、地…

奇貨/松浦理英子

久しぶりに訪れたブック○フで偶然に見つける。 チェーン系の古本屋での価格付けは、本の状態と店頭売上高が基準になっているようで、人文、文学の中堅どころとでも言うべき本はかなり格安で手に入れられることがある。 これが本当に好きな人しか買わないよう…

CASA BRUTUS カフェとロースター

つい買ってしまう、コーヒー特集。 あとカレー特集も。 美味いコーヒーというより、カフェという空間が気になる。 Casa BRUTUS(カ-サブル-タス) 2018年4月号 [カフェとロースター] 出版社/メーカー: マガジンハウス 発売日: 2018/03/09 メディア: 雑誌 この…