雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

2016-02-14から1日間の記事一覧

男ごゝろ/永井荷風

勢い付いて永井荷風を続ける。 短篇小説で15分もあれば読める。 気になる女を落として、面倒くさくなって離れていく、そんな短篇である。 そんな男もいるさ、とやり過ごせるなら大人の女性だろうか。 デートの場所が浅草という辺りに時代を感じる。 男ごゝろ…

狐/永井荷風

永井荷風の初期短篇である。 幼年期の記憶を元に書かれた物語は、実に鮮やかだ。 少年の心に映る薄暗い不気味な庭、威厳があって権力の象徴のような父、白い雪の上に滴る赤い血、そして絵草子の鬼のような大人の姿。 淡々と描かれながらどの場面も印象的だ。…

耳目記/芥川龍之介

Kobo Glo HDを買ったので、さくさく青空文庫が読める。 性能ではタブレットやスマホと比べられるものじゃないけど、電子書籍端末はありだと思う。 ということで、3ページほどの芥川のアフォリズムをさくっと読む。 芥川のアフォリズムはどこか皮肉めいた笑い…