雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

アンソロジー

地獄百景/田中久美子 監修

この本もまた図書館で借りた。 東西の地獄が集められて、さながら地獄のオンパレードである。 まぁ、たいてい人間というのはろくでもないものだから、戒めをしなければ堕落するものなのだろう。 こんなことをしてはいけません、というものがあれば、それをか…

文林通言/石川淳

石川淳が朝日新聞に文芸時評を書いていたそうだ。 という驚きは、そう書いただけでは伝わらないだろう。 わかる人にはわかる類の話だと思うが、わかったからって別段何も変わりはしない。 そもそも、石川淳を知っている友人などいないのだから、石川淳という…

百物語怪談会

この本もまた図書館で借りた。 何となく読書の気が進まないので、怪談だったら読むかと借りてみた。 明治の百物語企画なのだが、江戸の百物語とそうは違わない気がする。 時代の区切りと人々の心象は必ずしも一致しない。 何を怖いと思うか、その変化は明治…

小川洋子の偏愛短篇箱

この本もまた図書館で借りた。 小川洋子が偏愛する短篇を選び、それに短いエッセイをつけて紹介する、という本である。 どうも最近本を読まない。 以前のようにブログを巡ったりもしない。 そのことが何を意味しているのかよく判っていない。 この本であれば…

禅林句集/足立大進編

最近本を読んでいない。 仕事が忙しくて、電車の中では寝てしまうことが多い。 それでも、ようやく手に入れたこの本を何とか読み終えた。 この本は古くからある禅宗の法語や名句を集めるという形式の本である。 漢文に対し、解説も無く、読み下し文があるだ…

人間の建設/小林秀雄、岡潔

この本もまた図書館で借りた。 小林秀雄は好きじゃない。 岡潔も知らない。 小林秀雄を読んだのは、高校生か大学生の頃だ。 何冊か読んだが、記憶にも残っていない。 (去年あたり、1冊ぐらい読み返したかもしれない) 内容は忘れているくせに、好きではな…

戦後短編小説再発見10 表現の冒険

なんとなく読み返してみる。 収録されているのは、以下の通り。 内田百けん「ゆうべの雲」 石川淳「アルプスの少女」 稲垣足穂「澄江堂河童談義」 小川信夫「馬」 安部公房「棒」 藤枝静男「一家団欒」 半村良「箪笥」 筒井康隆「遠い座敷」 澁澤龍彦「ダイ…

東日本と西日本/

この本もまた図書館で借りた。 網野善彦と宮本常一の名前があったので読んでみようかと思ったのだが、正直なところ期待外れだった。 いまさら東日本と西日本を対立項として捉えることに、あまり意味があることとは思えない。 古代から現代までの縦糸に対して…

怖い俳句/倉阪鬼一郎

この本もまた図書館で借りた。 書架を眺めていて、ちょっと気になったので手に取ってみた。 俳句自体は短歌よりも親しみがあるのだけれど、同時代の俳人も良く知らないし、そもそも素養が足りないと言うべきだろう。 この本は、「怖い」というキーワードを軸…

現代アジア論の名著/長崎暢子・山内昌之 編

この本もまた図書館で借りてみた。 自分の中でのアジアと思っているものが、実際の地域の話ではなく、どのような捕らえ方をしているのか、相対的な位置づけを考えようかと読んでみることにした。 それは、マルクス(というか、むしろエンゲルスだろうか)が…

本は、これから/池澤夏樹 編

これもまた、図書館で借りた。 紙の書籍と電子書籍が今後どうなるか、というテーマについて37人のエッセイである。 肯定派、否定派、楽観論、悲観論、様々な立場の様々な意見の寄せ集めである。 書籍とは何か、ということは、それぞれであるということが判る…

ことばの饗宴/岩波文庫編集部

図書館で借りてみた。 2:8の法則じゃないけれど、名言ばかりを集めてみても、どの本より素晴らしいものにはならないのが良く判る。 では何のためにアンソロジーを読むのか? 今まで読んだこと無い本に出会うためなのだ。 ことばの饗宴―読者が選んだ岩波文…

作家の口福

この本は、朝日新聞の土曜版に連載されたコラムを集めたものらしい。 食について、様々な作家が寄稿しているが、大半は初めて読んだ。 恩田陸 糸山秋子(糸は旧字) 古川日出男 村上由佳 井上荒野 山本文緒 藤野千夜 川上未映子 森絵都 津村記久子 三浦しを…

銀座24の物語/銀座百点編

学生の頃に友人たちとした話に、 「東京と言ったらどこを思い浮かべるか?」 というのがある。 横浜方面の友人は渋谷と答え、多摩方面の友人は新宿、埼玉方面の友人は池袋と答えていた。 北関東から東北出身だったら上野や浅草とでも答えただろうか。 自分の…

秘密。私と私のあいだの十二話

何だか本を読まない時間が過ぎてゆく。 珍しいことなのだが、たまには良いかとも思う。 死にはしないし、生活にだって困らない。 だが、何だか後ろめたい気がする。 時間の無駄遣いというか、すべきことをしていない感じがする。 すべきこと? その考えには…

ナショナル・ストーリー・プロジェクト/ポール・オースター

長いことこの本は買おうかどうしようかと迷っていた。 でも、先日思い切って買ったのだ。 買ったは良いのだけれど、今度は読もうかどうしようかと迷っていた。 (その隙に、電子書籍に手を出したりして) ポール・オースターがラジオ番組のために、聴取者か…

日本の名随筆27 墨/篠田桃紅 編

様々な人の文章をテーマに沿って集めた「日本の名随筆」シリーズである。 久しぶりに読み返してみた。 実際のところ、名文、美文ばかりとは言えない気がするが、だからと言って微に入り細に入り論うつもりも無い。 墨と言いつつ、書に言及している文章も多い…

近世畸人伝/伴蒿蹊

江戸に留学中。 とは言え、石川淳や永井荷風、杉浦日向子といった先人には遠く及ばず、ぶらぶら散歩する程度のものだ。 この本は様々な人のエピソードを綴ったもの。 必ずしも、ストレンジだったり、クレイジーだったりはしない。 むしろ、忠孝義に秀でた人…

幻獣辞典/ホルヘ・ルイス・ボルヘス、マルガリータ・ゲレロ

古今東西の想像上の動物のコレクションである。 こういう本は、何か調べ物で開くか、純粋に暇つぶしで読むかのどちらかだろう。 もちろん、今回は後者で、正月休みの間にちょこちょこ読み耽っていた。 感想を書くのはどうにも難しい。 あえてひとつ紹介する…

不思議図書館/寺山修司

最初に読んだ寺山修司は、この本か、あるいは、「棺桶島を記述する試み」だったと思う。 この本は、その頃に住んでいた家の近所の、小さな町の本屋さんで買ったと記憶している。 奥付を見ると初版なので、新刊として置いてあったのだろうか。 この本は、寺山…

紋切型辞典/ギュスターヴ・フローベール

この本の存在を知ったのは、蓮實重彦の「物語批判序説」だったろうか。 もうその本も処分してしまい、基よりフローベールも読んだことなく、忘れていたのだけれど、ふと本屋でこの本を見かけて思い出した。 とは言え買う気はしないので、図書館で借りること…

エバは猫の中(ラテンアメリカ文学アンソロジー)

ラテンアメリカという括りで文学を語ってしまうことにどれだけの意味が在るのか。 だが、世界文学に対して、各国の違いを明確に語れないのだから、ラテンアメリカという括りで見たほうが理解しやすい、って事もある。 そもそも、世界文学って言ってる時点で…

両手いっぱいの言葉―413のアフォリズム/寺山修司

何となく寺山修司の言葉に触れたくなった。 この本は寺山修司の様々な著作から選び出された「気の利いた言葉」が、ローマ字でのアルファベット順のテーマに沿って並べられている。 意図したのか偶然なのか、「愛」に始まって、「夢」で終わる。 それぞれの言…

怪奇小説傑作集4 フランス編

持っていたはずなのに、本棚に見当たらない。 いつの間にか処分してしまったのだろうか? ということで、図書館で借りてみる。 本当にこの本は読んだことがあったのだろうか? どの短編も記憶にない。 この本に辿り着く前に、新潮文庫の3冊揃いの短編集を読…

ボルヘス怪奇譚集/ホルヘ・ルイス・ボルヘス、アドルフォ・ビオイ=カサレス

別の本を読んでいたのだが、息抜きに読み始めたこちらの本が先に読み終わった。 怪奇譚と言いつつ、原題は「Cuentos Breves y Extraordinarios」つまり、Extraordinaryで短い話、普通じゃないぐらいのニュアンスだろうか。 それにしても、古今東西の文献から…

ビックリハウスのエンピツ賞傑作選

その昔、「ビックリハウス」という雑誌があったことは、たぶんもう忘れられているかもしれない。 ありきたりな言い方をすれば、サブカル雑誌ということになるのかもしれない。 糸井重里、栗本慎一郎、YMO、忌野清志郎、橋本治、高橋章子、榎本了壱、みうらじ…

本本堂未刊行図書目録―書物の地平線/坂本龍一

本本堂未刊行図書目録―書物の地平線 (1984年) (週刊本〈6〉)作者: 坂本龍一出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 1984/11メディア: ?購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 坂本龍一が企画した「本本堂」という出版社の、「未刊行」の目…

戦後短篇小説再発見10 表現の冒険

家とか父親とか戦後短篇小説再発見10 表現の冒険 (講談社文芸文庫)作者: 講談社文芸文庫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/03/04メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 94回この商品を含むブログ (14件) を見る 短編小説というジャンルに、日本文学「らしさ…

詩の力/吉本隆明

詩の力 (新潮文庫)作者: 吉本隆明出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/12/20メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (26件) を見る これは良い本だと思った。 現代詩を中心に短歌、俳句、歌謡曲までを射程において、吉本隆明が平明に語…

中国怪談集

中国怪談集 (河出文庫)作者: 中野美代子,武田雅哉出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1992/03メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る これは奇書というべきだろう。 この本の編者たちは、「物語の最も卓越した語り手は…