雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

春と修羅/宮沢賢治

この本もまた電子書籍である。 宮沢賢治の詩を読んだことが無かったので、試しに読んでみる。 詩というのは非常に私的なもののように思っているが、実は最も抽象的な言葉であり、何が書かれているとか、何を言おうとしているとか、学校で教えられるような捉…

まざあ・ぐうす

この本もまた、電子書籍である。 作者不詳だが日本語に訳されていた。 読んでみたら訳者は北原白秋であった。 なので、これはまるで白秋の詩集である。 まざあ・ぐうす 作者: 北原白秋 発売日: 2012/09/27 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を…

東京日記/リチャード・ブローティガン

久しぶりに詩を読む。 詩は黙読するものではなく、音読すべきものだと言ってたのは誰だったっけ? でも、英語で書かれた詩を、日本語で読むときに、読者は何を読んでいるのだろう。 原詩にある言葉の響きとかは失われているだろう。 逆のこともあって、日本…

北原白秋詩集

何年ぶり、いや何十年ぶりに手に取ったのだろうか。 特に思い入れは無いのだけれど、何となく本棚に残っている。 最近の若者は北原白秋など手に取るのだろうか。 いや、自分の年代でさえ手に取らない気がする。 そう思うと、近代詩というのは、いったい誰が…

萩原恭次郎詩集

萩原恭次郎は大正から昭和初期に活躍した詩人である。 ダダイストだとか、アナーキストだとか、紹介されているが、実際のところ、詩とは何であるかといったら主義主張ではないだろうと思う。 そもそも、大正から昭和初期の前衛詩人たちを、ダダイズム、シュ…

怖い俳句/倉阪鬼一郎

この本もまた図書館で借りた。 書架を眺めていて、ちょっと気になったので手に取ってみた。 俳句自体は短歌よりも親しみがあるのだけれど、同時代の俳人も良く知らないし、そもそも素養が足りないと言うべきだろう。 この本は、「怖い」というキーワードを軸…

ONCE/谷川俊太郎

古本屋で見つけて、衝動買いした。 なぜ過去は斯くも恥ずかしいものなのか、と私は思っているのだが、谷川俊太郎氏は易々とそれを提示してしまっている。 本当は易々とではないのかもしれない。 10代の恥ずかしさとは違う、20代の恥ずかしさ、くだらなさ、駄…

詩の力/吉本隆明

また読み返してみる。 現代詩に対する最も良質な入門書のひとつだと思っている。 詩を読むための助走のように、この本を開いている気がする。 つまり、詩というスピリッツを呑む前に、水割りで舌と胃を馴らしておくようなものかもしれない。 この本を読んで…

私自身のための俳句入門/高橋睦郎

詩人の高橋睦郎氏が俳句の本か、と思って買った。 というのは、かれこれ17年前のようだ。(レシートの日付は1996年だった) 読みかけては止めてを繰り返していたのだけれど、改めて通読してみる。 俳句の本のはずが、記紀歌謡から始まる。 和歌とは一体何物…

夜のミッキーマウス/谷川俊太郎

生活の合間に読んでいた。 つくづく、詩というものは不思議なものだなと思う。 ほんの数行で、心を揺り動かすことが出来る。 物語だったらセンテンスを重ねて、状況を作り上げて、物語を進めていくことが、詩ならば数行だ。 経済の効率性の話じゃない。 言葉…

高橋睦郎詩集

久しぶりに引っ張り出して読んでみる。 高橋睦郎の詩に出会ったのは、高校生の頃に読んでいた「ユリイカ」だったはずだ。 或いは、澁澤龍彦経由だろうか。 ともあれ、その世界に引き込まれたのだと思う。 十代後半に詩集を読んでいる男なんて、甚だしい時代…

チャイナタウンからの葉書/リチャード・ブローティガン

ブローティガンの詩集のアンソロジーから池澤夏樹氏が60編訳出した詩集らしい。 何度か読み返していたのだけれど、あとがきを読んでいなかった。 ブローティガンの詩に浸ろうと思っていたのだが、読んでみるとなんか違う。 それは、ブローティガンのせいでは…

西東三鬼集/西東三鬼

西東三鬼は昭和初期の俳人である。 と言っても良く知らない。 なぜこの本に辿り着いたのかも覚えていない。 そもそも俳句だって語れるほどに知らないのだけれど、西東三鬼の句はモダニズムだと思った。 この場合のモダニズムとは、内容に先行するスタイルが…

百人一首/藤原定家 撰

平行で何冊か読んでいたうちの一冊。 今ひとつ響かず。 何でだろうかと考えてみると、恋を詠いこむことに、違和感を覚えている。 誤解を恐れずに、一言で言うと、キモチワルイ。 あなたのことをこんなに想っているのに何で判らないんだろうか、と詠ってしま…

郷愁の詩人 与謝蕪村/萩原朔太郎

本棚の岩波の黄帯、緑帯を整理していたら、この本が出てきた。 どうやら、この本も途中までしか読んでいなかったので、改めて読んでみる。 本のタイトルの通り、与謝蕪村を郷愁の、浪漫派詩人の先駆者として、萩原朔太郎は評価している。 それは、正岡子規か…

言葉からの触手/吉本隆明

1989年の吉本隆明氏の作品。 評論のようでもあり、詩のようでもある。 時事的な話題を取り上げつつも、まるで観念論のようにも見える。 言葉と身体を重ね合わせ、身体の喩で思考する。 むしろ、観念を身体に向かって開いてゆくことで、新たな思考のありよう…

詩本草/柏木如亭

自分の中でどうした訳だか、江戸文学ブームが来ている。 柏木如亭は文政期の漢詩人である。 この本は様々な食べ物と、それにまつわる旅の思い出を書き記した随筆とでも言えよう。 短い文章の中にちらちらと見える食道楽っぷりと、寄る辺の無さそうな旅の思い…

俳諧問答/向井去来、森川許六

松尾芭蕉の弟子たちによる俳諧論議である。 が、俳句を語れるほど通じているわけでもないので、ふーんそうか程度の感想しか出てこないのは、教養の足りなさの表れだろう。 それでも、何とか読み通してみる。 きっかけは去来が其角へ宛てた不易/流行の論議で…

鬼貫句選・独ごと/上嶋鬼貫

本との出会いとは不思議なものだと思う。 今まで鬼貫という俳人の名前すら知らなかったのだけれど、この本を読んで気に入ってしまった。 上嶋鬼貫は、1661年に現在の大阪府伊丹市に生まれ、1738年に亡くなった、江戸時代の俳人だそうだ。 東の芭蕉、西の鬼貫…

詩めくり/谷川俊太郎

気になっていたのだけれど、買わずにいた。 だが、ふらっと立ち寄ったブックオフで見つけ、買ってしまった。 この詩集は一日に一篇の詩が書かれている。 立ち読みした時は、自分の誕生日、家族の誕生日、友人の誕生日、それから… 買ってからは、とりあえず1…

ルバイヤート/オマル・ハイヤーム

ルバイヤートとは、四行詩という意味らしい。 作者のオマル・ハイヤームは11世紀のペルシア(今のイラン辺り?)の、数学者にして哲学者そして詩人だそうだ。 この本の解説で知ったぐらいの、浅はかな知識を書き連ねるのはやめよう。 簡潔ながら、詠い上げる…

松浦寿輝詩集

詩が読みたい、というのはどういう欲求なのか。 松浦寿輝氏は、今や芥川賞作家であり、評論でもあれこれ話題を振りまいているらしい。 興味が無いので、正確なことや詳しいことは知らない。 ともあれ、松浦寿輝氏の詩集「ウサギのダンス」が読みたくなったの…

吉本隆明初期詩集

吉本隆明氏が亡くなった。 追悼の意味も込めて、この本を読みかえす。 ここには瑞々しい詩人の孤独の言葉がある。 だが今日は、あまり感想を吐かずに、読むだけにしようと思う。 吉本隆明初期詩集 (講談社文芸文庫)作者: 吉本隆明出版社/メーカー: 講談社発…

対訳 ポー詩集/エドガー・アラン・ポー

できれば詩はその書かれた言語で読みたい。 そうすると必然的に、日本の詩か、ちょっと背伸びして英米の詩か、ということになってしまう。 はるか昔に、洋書のペーパーバックではないが、ポーの詩集を持っていた気がする。 だが、現在の本棚に無いので、引越…

藤富保男詩集

東京に雪が降った。 雪が降った夜は音がしない。 雪が音を吸収するのだという。 静かな夜には、詩が読みたくなる。 久しぶりに、藤富保男を引っ張り出した。 藤富保男を知ったのは、矢野顕子の「一分間」という曲で、その歌詞は、この本にも収められている「…

ポオ詩と詩論/エドガー・アラン・ポオ

創元推理文庫版のポオ全集を買ったのは、確か高校生の頃だったと記憶している。 ただし、この一冊だけは、途中であきらめた記憶があった。 この本には、全詩と三篇の評論が収録されている。 小説は怪奇や幻想といったキーワードで語られることが多いかもしれ…

夜のミッキー・マウス/谷川俊太郎

何で詩を読むの、とか、詩は何が面白いの、とか聞かれても、答えようがない。 時々、詩を読みたくなるのだし、面白くないものなど読もうとは思わないだろう。 ふと本屋でこの詩集が目に留まったので買ってみた。 別にミッキー・マウスが好きなわけでもない。…

腐敗性物質/田村隆一

田村隆一氏の名前を知ったのは、吉本隆明氏の本を読むようになって、「荒地グループ」と称される詩人たちの存在を知ってからだったように思う。 既にその頃は、田村隆一氏は老境の域に達していたと思う。 時折、詩誌で発表される詩は、諧謔とユーモアの中に…

井上井月

井上井月は、幕末から明治初期の頃の俳諧師である。 故郷の越後長岡を捨て、江戸や京、大阪を放浪した後、長野県伊那谷に住み着き、あちこちの家に居候した挙句、田んぼの中で行き倒れ同然の姿で客死したという。 乞食井月とも言われていたというその姿は、…

新選天沢退二郎詩集

天沢退二郎の散文詩が読みたくなり、再読してみる。 夢の風景を描写するような、意味ありげな物語のようなその詩作品たち。 大きな絡み合った毛玉を解きほぐしてみると、空洞がそこにあったかのようなイメージだ。 物語的な体裁を採りながら、物語的なるもの…