雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

随筆

スコッチと銭湯/田村隆一

久しぶりに田村隆一を読んでみる。 詩と随筆のアンソロジーである。 誰もが田村隆一のように詩を書くことは出来ないが、酒を呑んだり銭湯に浸かったりすることはできそうだ。 スコッチと銭湯 (ランティエ叢書) 作者: 田村隆一 出版社/メーカー: 角川春樹事務…

街場の現代思想/内田樹

随筆ばかり読んでいると、論理的思考ができなくなるような気がして、とはいえ急に堅い人文書に手を伸ばすほどでもなく、ちょっと堅めの随筆を選ぶ。 内田樹はレヴィナスの翻訳者として知っていたはずなのに、随筆で見かける名前と一致していなかった。 とも…

世界の奇妙な国境線/世界地図探求会

ついでに借りてみた1冊。 飛び地、未確定の国境、不自然な形の回廊、そういった地図上の国境線から、現代史の国境紛争問題に遡っていく。 この本もまた軽く読めてしまうが、あんがい重いテーマである。 世界の奇妙な国境線 (角川SSC新書) 作者: 世界地図探求…

ひとりメシの極意/東海林さだお

とあるブログで褒めているのを見て、読んでみようかと思った。 が、図書館で予約したところ、返却待ちになっていた。 そして夏休みの前日に、貸出可能の通知が来て、借りに行けず、結局、1週間遅れで受取って読み始めた。 食事に関する軽いエッセイである。 …

月の塵/幸田文

いまさらながら、幸田文の読者とは誰なんだろう、と思った。 懐古的な随筆はいつの日か考古趣味の対象になり、文学としては読まれなくなるのではないかという気がする。 幸田文が書いている対象について興味がある読者というのは誰なのだろう。 そして、幸田…

季節のかたみ/幸田文

幸田文の文章に惹かれている。 そう思って随筆を借りてきたのだが、ちょっと違うようだ。 悪くはないのだが、ちょっと思ったのと違うと言うか。 読者の勝手な思い込みなんだろうとは思うのだが、いまひとつに感じてしまうのは、老いの影が見える点だろうか。…

父・こんなこと/幸田文

幸田文は幸田露伴の次女である。 従ってこの「父」とは幸田露伴のことである。 幸田露伴の臨終記ともいえる表題作、その亡き父の思い出を語る随筆である。 幸田文の語り口は、東京の下町の喋りの息遣いが感じられる。 たぶん、言葉使いだけじゃなく、その背…

チベット旅行記/河口慧海

読了まで何ヶ月かかっただろうか。 まぁ、長い旅行記である。 それだけ道中の出来事やら沢山あるのだが、事の仔細が、上から目線なのが気になった。 明治維新の矜持を前提に他国を眺めているので、それはもう酷い言い様である。 冒険記として、或いは民俗学…

木/幸田文

幸田文をもう一冊。 今回も図書館で借りたのだけど、こちらの方が気になっていたのだった。 タイトルの通り、木に関する随筆である。 雑学を披露するでもなく、淡々と木に対する印象や描写で綴られ、作者の思いが込められる。 随筆とは随想、つまり心に浮か…

雀の手帖/幸田文

幸田文は幸田露伴の娘、と書いてみても、もはや幸田露伴の読者なんて、学生か年寄りだろうか。 ましてや、娘の幸田文なんて読まれていないような気がしてならない。 この随筆(あえてエッセイとは言わないでおこう)は、新聞に日々掲載されたもののようだ。 …

定年後の人生を変えるアドラー心理学/八巻秀

この本もまた図書館で借りた。 老いの問題とは何なのか、残された時間を意識しながら生きるということはどういうことなのか、アドラー心理学の考えを用いて一つの答えを導いているように思った。 環境が変わり、対人関係が変わることで直面する問題に対して…

日本一わかりやすいアドラー心理学入門/谷口のりこ、土居一江

この本もまた図書館で借りた。 前からちょっと気になっていたアドラー心理学をちょっと読んでみようと思った。 とはいえ、いきなり専門書に手を出すほどうぬぼれてもいない。 ちょっとした入門書で、概要がつかめれば、と借りた。 読んでみると、なるほど流…

沖縄生活誌/高良勉

この方の著作を読むのは初めてだと思っていたら、吉本隆明の南島論の著作「琉球弧の喚起力と南島論」で共同執筆されていた。 この本は、一言でいうなら、四季を通じて沖縄の慣習等を紹介する本だ。 正月に始まり大晦日に至る沖縄の一年を、フィールドワーク…

ロック読本/渋谷陽一 選

某大手の古本チェーン店で叩き売りされていたので買ってみた。 福武文庫を叩き売りするなんて、最高すぎる。 まぁ、世間では本を読まないらしいので、そんなことで喜んでいるのだって変人扱いなんだろう。 執筆陣は渋谷陽一を始めとする音楽ライターだけでな…

持たない幸福論/pha

年末に期限切れになる楽天ポイントが貯まってたので、今まで読んでなかったようなものを、ちょっと読んでみようかと探していて気になった1冊。 ちょっと著者の方はネット上では知っていたが、本を出していることは知らなかった。(ネットを表面的にしか見て…

ひとり暮らし/谷川俊太郎

久しぶりに谷川俊太郎を読み返してみる。 詩人としてというより、理想的な老後の生活を送っている先輩として、という感じがしている。 変化し続ける世界と、老いていく自分との関係は、難問だという気もするし、大したことではない気もする。 だが、確実なの…

日本の面影/ラフカディオ・ハーン

久しぶりに、ラフカディオ・ハーンを読む。 この本はハーンの日本賛美の本である。 そうでない読み方ができないぐらい、日本を持ち上げているので、読んでいる方が気恥ずかしくなるくらいだ。 それにしても、いつから日本賛美のTVが、こんなに溢れているのだ…

御馳走帖/内田百閒

先月に突然風邪をひいて寝込んだ際に再読。 2日で読みきれずにようやく読了。 相変わらずの百鬼園先生の語りが、病人には優しかった。 御馳走帖 (中公文庫) 作者: 内田百けん 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1996/09/18 メディア: 文庫 購入: 7人 クリ…

女の人差し指/向田邦子

何だか向田邦子が気になる。 たぶん同年代に近くなった。 向田邦子のエッセイに、親近感のようなものを覚えているような気がする。 何とはないようなことなのだが、それでも読ませる文章だと思う。 内容ではなく(とは言えゼロではないが)書きっぷりで読ま…

男どき女どき/向田邦子

この本もまた、図書館で借りた。 歳をとって、向田邦子を読むようになった。 この本で扱われているテーマは、人生の機微のようなものだ。 歳を取ると些細なことにも涙脆くなる。 そんな些細なことに共感する自分がいる。 子供は大きな物語が好きだ。 例えば…

山の湯雑記/折口信夫

これもまた電子書籍。 自詠の和歌と、山村の温泉の随筆を、交互に構成した作品。 東北のようなのだが、どれも行ったことがない。 いつか行けるだろうか。 言葉少なめな随筆であるだけに、ちょっと行ってみたい感じもする。 山の湯雑記 作者: 折口信夫 発売日…

近世快人伝/夢野久作

これもまた電子書籍である。 恥ずかしながら、夢野久作にこんな作品があるのを知らなかった。 というか、夢野久作の出自すら知らなかったのだ。 この本は夢野久作にに所縁のある幕末から明治期の黒田藩の快人物たちの伝記エッセイとでも言おうか。 面白いの…

安吾巷談/坂口安吾

この本もまた電子書籍でよんだ。坂口安吾による、時事ネタのエッセイである。 たいしたことを書いてるとも思わないが、引き込まれてしまうのは語りの上手さが出ているような気がする。 坂口安吾の軽妙な語りの裏に隠れているものは、鋭い触ったらすぐ切れて…

妖怪漫談/岡本綺堂

妖怪関連の本をを探して見つけた。 日本の妖怪話は、中国の輸入品というエッセイ。 まあ、それはそうなのだろうけど、それを言い立てたところでどうなるものかと。 妖怪漫談 作者: 岡本綺堂 発売日: 2012/09/14 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見…

我が人生観/坂口安吾

相変わらず電子書籍で坂口安吾を読み耽っている。 これは紙の本では読んだことが無かったが、なかなか面白い。 坂口安吾のエッセンスが詰まっているようなエッセイだ。 いちいち、そうだよなと思う事が多いが、翻って考えてみると、高校生の頃から坂口安吾を…

死と鼻唄/坂口安吾

引き続き電子書籍で読んでみた。 分かるような分からないようなエッセイだ。 鼻唄交じりに勝負に出るものは強い、という話。 戦場で死を見つめていない限りは死なないという話。 第二次世界大戦でのドイツ軍は、相手に死を思わせることが上手かったから強か…

安吾新日本地理/坂口安吾

これもまた電子書籍で読んだ。 実は紙媒体の本でも持っている。 こういう本の各章が、個別になってしまうのは、とても読みにくい。 なぜこんなことになってしまうのか。 こんなことでは、星新一が青空文庫で読めるようになったら、と想像するだけで恐ろしい…

日本文化私観/坂口安吾

言わずと知れた名随筆である。 ブルーノ・タウトの同名のエッセイに取り上げられるような悟り澄ましたような、所謂「文化」なんかより、人間の生き生きとした姿に文化の本質を見る、という主旨だと強引にまとめる。 それはそうなのだが、やはり洗練というも…

近代支那の文化生活/内藤湖南

中国における近代とはなにかという考察。そのメルクマールとして、平民ということを持ち出して、宋からとしている。さらっと読み流してしまった。近代支那の文化生活作者: 内藤湖南発売日: 2012/10/01メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る

耳目記/芥川龍之介

Kobo Glo HDを買ったので、さくさく青空文庫が読める。 性能ではタブレットやスマホと比べられるものじゃないけど、電子書籍端末はありだと思う。 ということで、3ページほどの芥川のアフォリズムをさくっと読む。 芥川のアフォリズムはどこか皮肉めいた笑い…