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雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

酒に呑まれた頭/吉田健一

とにかく食べる話と、呑む話と、旅の話だ。 他愛も無い話といえばそうなのだが、それ以上の話題って何かあるのか、とでも言いたそうだ 。 他人様の色恋話を聞かされるよりは、酒の話をしてた方が良い、という境地かもしれない。 判るような判らないような。 …

私の食物誌/吉田健一

吉田健一が再評価されているのは、最近のことではないだろうか。 ところで、吉田健一をどのように知ったのかは、もう覚えてはいない。 石川淳か、倉橋由美子か、或いは松浦寿輝か、その辺りの作家から、名前を聞きかじったのだろうと思う。 日本文学史のメイ…

詩本草/柏木如亭

ふらりと本屋に立ち寄って買ったのだが、読み進むうちに何だかデジャヴュに襲われ、このブログを調べてみたら、2年前に買っていた。 ということで、漢詩で書かれた江戸時代のグルメ本ですが面白い。 「さつまめし」のくだりは涎が出そうになる。 詩本草 (岩…

ガルガンチュワ物語/フランソワ・ラブレー

全5巻セットを持っているのに、しまいっぱなしだったのをふと思い出して、読んでみた。 実にくだらない。 そして面白い。 巨人のガルガンチュワは耳から生まれ、「のみたーい!のみたーい!のみたーい!」と産声をあげる。 お乳を飲ませるために、17913頭の…

サテュリコン/ペトロニウス

何度か読みかけては止めていたのだけれど、ようやく読み終えることが出来た。 古代ローマの小説なのだけれど、一言で言うならスラップスティックだと思った。 特に「トリマルキオンの饗宴」の章は圧巻だ。 奇想天外な料理の数々と、狂騒的な台詞回しは、冷静…

作家の口福

この本は、朝日新聞の土曜版に連載されたコラムを集めたものらしい。 食について、様々な作家が寄稿しているが、大半は初めて読んだ。 恩田陸 糸山秋子(糸は旧字) 古川日出男 村上由佳 井上荒野 山本文緒 藤野千夜 川上未映子 森絵都 津村記久子 三浦しを…

最暗黒の東京/松原岩五郎

ちょっと気になっていたので図書館で借りてみた。 明治時代の東京の貧民窟、つまりスラム街に入り込んでルポルタージュした本である。 当時の三大貧民窟が、下谷万年町(今の上野駅から鶯谷に向かった東側の一角)、四ツ谷鮫ヶ橋(信濃町と四ツ谷の間、赤坂…

詩本草/柏木如亭

自分の中でどうした訳だか、江戸文学ブームが来ている。 柏木如亭は文政期の漢詩人である。 この本は様々な食べ物と、それにまつわる旅の思い出を書き記した随筆とでも言えよう。 短い文章の中にちらちらと見える食道楽っぷりと、寄る辺の無さそうな旅の思い…

新しい天体/開高健

関西弁で言う「けったいな」という形容詞のニュアンスは判らない。 だが、この本は、誰も居ないはずのトイレのドアをノックしたら、返事があった、という話と競るほどの、けったいな話、であるらしい。 主人公は省庁の予算確保のため日本中の美味を堪能する…

食の王様/開高健

開高健のもうひとつのよく語られる切り口は、食べ物に関するエッセイの上手さ、というイメージがある。 なので、そのまんまのタイトルの本があったので借りてみた。 しかし、いきなり人肉嗜食の話から始まり、ゲテモノ食いの話も出てくる。 これはちょっと外…

完本 酔郷譚/倉橋由美子

久しぶりに立ち寄った本屋で見かけたが、一週間ほど悩んで購入。 新刊を買うのも久しいが、倉橋由美子を読むのも久しい。 どうやら晩年の頃の作品らしく、「入江さん」から展開されるキャラクターシステムが登場する。 主人公は、「入江さん」の孫にあたる「…

エスプレッソ・カルチャー&キュイジーヌ/カール・ペッキイ+サラ・スレイヴン

いつ買った本だろうか。 奥付を見ると、1995年7月1日初版とあるが、果たして出版されてすぐ買ったのかどうかは定かではない。 エスプレッソを巡るエッセイと、エスプレッソを使った幾つかのレシピが、お洒落な雰囲気の写真と共に紹介されている。 ともあれ、…

東京居酒屋探訪/大道珠貴

何となく随筆が読みたくなって、図書館で何冊か借りたうちの一冊。 筆者の大道氏については何も知らない。 「居酒屋」と言いつつ、イタリア料理やフランス料理の店にも訪れているが、そんなことは大したことではない。 店の紹介かというと、そういった面も無…

食卓歓談集/プルタルコス

酒を呑んでいる時の馬鹿話は好きだ。 というか、むしろ馬鹿話しかしたくない。 深刻な悩みを聞きながら呑む酒はどんな味だか知らない。 この本は古代ローマの著述家プルタルコスが、宴会で話した話題を集めた、という体の随想集とでも言うべきだろうか。 全…

大江戸美味草紙(おおえどむまそうし)/杉浦日向子

何となく食べ物の本が読みたくなる。 かと言って、吉田健一や内田百けんを読みたい気分ではない。 高橋睦郎の「詩人の食卓」もふと頭をよぎったが、今回は止めておこうと思った。 それで、結局、杉浦日向子に手が伸びてしまう。 この本は、「柳多留」から選…

散歩のとき何か食べたくなって/池波正太郎

「散歩のとき何か食べたくなって」とは、なんと巧いタイトルだろうか。 つい手を伸ばしてみたくなるように、読者をくすぐる。 内容としては、思い出の中の美味しい店、と言ったところか。 恐らく著者の知識、思い出の全てを、さらけ出しているのではないだろ…

酒場百選/浜田信郎

酒は嫌いじゃない。 というか、むしろ好きだ。 と思っていた。 家でも酒を常備し、何となく呑んでいる日もあった。 だが、歳を重ねるにつれて、呑みに行く友達も減り、自由に使える金も減り、いつしか、会社の呑み会でしか酒を呑んでいないことに気づいた。 …

金沢・酒宴/吉田健一

吉田健一は吉田茂・元首相の長男で、英文学者、評論家、小説家であると共に、美食家としても知られる、といった情報は改めて言うことでもないので、もうやめておこう。 この本に収められた「金沢」という中篇を最初に読んだときは、まずその語り口の虜になっ…

池波正太郎の銀座日記/池波正太郎

この本もまた図書館で借りた本である。 実は池波正太郎の本を読むのはこれが初めてだ。 今まで何人かの友人が薦めてくれたり、テレビで「鬼平犯科帳」を観た事もあるのだが、正直なところ、時代小説に食指(読指というべきか?)は動かなかった。 では何故、…

スコッチと銭湯/田村隆一

軽妙洒脱スコッチと銭湯 (ランティエ叢書)作者: 田村隆一出版社/メーカー: 角川春樹事務所発売日: 1998/03メディア: 文庫この商品を含むブログ (11件) を見る 田村隆一の詩と随筆から、酒と銭湯に関するものを集めたアンソロジーである。 買ったのはもう10年…

孤独のグルメ/久住昌之、谷口ジロー

記憶の中の食べもの屋(洋包丁とか、たんぽぽとか)孤独のグルメ (扶桑社文庫)作者: 久住昌之,谷口ジロー出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2000/02メディア: 文庫購入: 44人 クリック: 388回この商品を含むブログ (375件) を見る 腹の減った主人公がとりあえ…

自給自足/小林カツ代

たまには料理でも小林カツ代 自給自足作者: 小林カツ代出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 1996/11メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (9件) を見る 小林カツ代についてほとんど知らない。 料理研究家らしいということぐらいだ。 息子…

詩人の食卓―mensa poetae/高橋睦郎、金子国義

優雅な食卓詩人の食卓―mensa poetae作者: 高橋睦郎,金子国義出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1990/04メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る 高橋睦郎は詩人である。この本を買った頃は、よく雑誌にもコラムやエッセイを書いてい…

御馳走帖/内田百けん

甘木君ふたたび御馳走帖 (中公文庫 M 77-2)作者: 内田百けん出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1979/01/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る 引き続き食べ物ネタの本を引っ張り出してみた。この本は食べ物にまつ…

私の食物誌/吉田健一

うまいものづくし私の食物誌 (中公文庫 よ 5-1)作者: 吉田健一出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1975/01/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 久しぶりに読んでみると、あれこれ取り寄せていることが気になる。今のようなインターネット…