雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

恋愛のディスクール・断章/ロラン・バルト


エクリチュールの悦楽/悦楽のエクリチュール

恋愛のディスクール・断章

恋愛のディスクール・断章


なんて美しいタイトルだろう、というのが見つけた時の印象だった。
バルトは高校生の頃、1年間の記号学の自由授業で、名前が出てきたのが出会いだった。

他の著作は評論が主で、(その頃は)聞いたことも無い作家や、記号学の理解不足から、今ひとつピンと来なかったが、この本には読みふけってしまった。
タイトルに負けず、恋愛に関するディスクールを、アルファベット順に並べるという、構成もまた美しい。
さまざまな文献から引用しつつ、「わたし」と読み替えることで、それぞれの文章がディスクールとして蓄積され、美しい書物となり得ているように思う。
言語に対する皮膚感覚と悦楽感が印象に残る。