雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

新耳袋―現代百物語〈第4夜〉


こわいことはだれにもわからない

新耳袋―現代百物語〈第4夜〉 (角川文庫)

新耳袋―現代百物語〈第4夜〉 (角川文庫)


怪談を読むことは怖くない。恐怖は体験をした人だけのものであり、それを伝える時点でそれは別のモノに変わってしまう。とは言え、怪談が成立するのは、物語としての面白さであり、擬似体験の可能性を認識しているように思う。体験者の恐怖するポイントと、怪談を聞いた者が恐怖するポイントは異なるかも知れないが、同じかもしれない。そして物語とは別のところに、恐怖の印象を引き起こすための演出ポイントがある。だが怪談としてのこの本の位置づけは微妙に違っている。特に12章 山の牧場の件。
それでも怪談を読む。