こわいことはだれにもわからない
- 作者: 木原浩勝,中山市朗
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/06
- メディア: 文庫
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怪談を読むことは怖くない。恐怖は体験をした人だけのものであり、それを伝える時点でそれは別のモノに変わってしまう。とは言え、怪談が成立するのは、物語としての面白さであり、擬似体験の可能性を認識しているように思う。体験者の恐怖するポイントと、怪談を聞いた者が恐怖するポイントは異なるかも知れないが、同じかもしれない。そして物語とは別のところに、恐怖の印象を引き起こすための演出ポイントがある。だが怪談としてのこの本の位置づけは微妙に違っている。特に12章 山の牧場の件。
それでも怪談を読む。