雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

ダヤン・ゆりの花陰に/ミルチャ・エリアーデ


ほのめかす

ダヤン・ゆりの花蔭に

ダヤン・ゆりの花蔭に


学生の頃によく行った神保町のとある古本屋では、小さい店ながら膝ぐらいの高さから天井までの本棚があり、その中でもエリアーデの宗教学の著作集は最上段の棚に鎮座していた。その迫力に圧倒されてそのまま手が出ないで、未だに読めていないのだが、一方で小説の方で最初に読んだのがこの本だったと思う。エリアーデの小説は幻想小説とカテゴリー分けされることが多いが、それはどうだっていい。この2編の小説では、宗教的な概念が仄めかされている。そして、その仄めかしによって小説として成立しているのだと思う。