昏い叙情
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/09/25
- メディア: 文庫
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挟まっていたレシートを見ると大学時代に買ったようだ。幾つかは他の作品のの下敷きになっている。読み返してみると、これらの短編は今ひとつ完成していないように思う。完成していることが作品の魅力の全てかというとそうではないが、何かしらの不完全燃焼感が残ってしまうのも事実だ。それは作家自身が短編をどう捉えているかによるような気がするが、一方で、他の作品が無い状態とある状態では違うような気もする。また、この本自体で考えてみた場合、あまりに死を安直に語りすぎているような気がする。それは主題ではないからなのかもしれないが、ちょっとした違和感を覚える。ただの違和感なのだが、たぶん根本的に受け容れられない相違のような予感もする。