雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

フェルマーの最終定理/サイモン・シン


エレガントな世界

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)


数学を専攻する、という友達がいなかったので、数学の魅力は全く判っていなかった。高校の授業を受けてもそれが面白いとか、もっと知りたいとは思わなかった。だけど、この本で数学の面白さの一端に触れることが出来たような気がする。350年間解けなかった、フェルマーの最終定理をめぐる物語であり、その背景には、古代ギリシャからの数学者たちのドラマがあり、この本はそれを見事に描いている。定理を証明すること。反証すること。数学は論理の人工空間の極みであると同時に、自然科学の基礎として存在する。こんなにエレガントな世界がある事すら気づいていなかった。