雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

ノルウェイの森〈上〉/村上春樹


ずれていること

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)


最初に単行本で出た頃はまだバブルの頃だったろうか?
非常に流行って、それまで村上春樹なんて知らなかったような友達でさえ、「ノルウェイの森」は知ることになった。
久しぶりに読んでみると、この物語は何かのずれを廻っている。
主人公の時代背景からのずれ、友達の恋人という関係性のずれ、限度を超えた生真面目なルームメイトというずれ、様々なずれが延々と続く。
それを解決しようとするのでもなく、ずれをずれのままにしておくこと、それもまたずれではあるのだが。
そして、自殺や狂気にまつわるエピソード、性的な描写が羅列されている。
生と死、正気と狂気、そして主人公の女性遍歴、それらは何故書かれなければならないのか?
下巻に続く