雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

シュルレアリスムと聖なるもの/ジュール・モヌロ


通路

シュルレアリスムと聖なるもの

シュルレアリスムと聖なるもの


あとがきによると、ジュール・モヌロは一時期シュルレアリスムに参加し、その後、バタイユ、レリスらの「社会学研究会」に参加したらしい。
シュルレアリスムをどう総括するのか、というテーマに対してポエジイの擁護、ロマン主義との比較、社会学としてのありよう、と視点を変えながら論じている。
ここにあるのは答えではないのだが、示唆に富んでいると言える。
モヌロの文章は詩的で、むしろ読み辛い部類であるが、端的にいえば、シュルレアリスムを近代性、モダニズムの極北に位置づけている。
芸術が芸術としての特権であり得たその果てにおいて、自己否定的に匿名性を導入してしまうことや、ランボーの評価において、その詩そのものではなく、詩の放棄に置いている点を評価する。
夢から神話に繋がる通路、それが