雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

幻想としての経済/栗本慎一郎


深さよりも広さ


経済人類学の入門として書かれたのであろう。
理論的な深さよりも、カバーする領域を示すのが主題のようだ。
経済人類学とは何か?
カール・ポランニー、バタイユ、モース、といった流れからの、貨幣論、非市場経済分析、贈与、消費、そんなキーワードかもしれない。
生産を中心として、富の蓄積が経済の高度化につながるといった経済史観を覆して、人間の経済活動の根底にあるのは、消費であり、象徴の交換、贈与による圧倒、そういった行為であり、それが普遍的な経済活動の形態であるということのようだ。
貨幣にこめられている呪術的な意味、消費を中心に祝祭、遊びといった活動の死に至るまでの生の称揚、そういったものが少しづつ触れられている。
だが、学術書でないからか、栗本慎一郎のせいなのか、話題はあちこちに飛んでしまう。
それだけが…