雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

江戸の恋/田中優子


さらりと

江戸の恋―「粋」と「艶気」に生きる (集英社新書)

江戸の恋―「粋」と「艶気」に生きる (集英社新書)


タイトルの通りで著者も書いているが、「恋」という切り口で江戸の社会を切り取ってきているエッセイである。
「江戸時代とは」といった大上段に構えるのでもなく、その頃の人々がどのように暮らして、何を感じていたのかを、さらりと語っている感じだ。
美化することもなく、悲惨さを強調するのでもない。
著者の恋談義が所々に散りばめられているのは、ご愛嬌か。
江戸の描写をしつつ、それが現代に対する批評になっている点で、この本を読む価値はあるだろう。
例えば、心中だとか、性だとか、結婚だとか、家庭だとか、死だとか。