雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

ブロディーの報告書/ホルヘ・ルイス・ボルヘス


親近性

ブロディーの報告書 (白水Uブックス (53))

ブロディーの報告書 (白水Uブックス (53))


いつ読んだのか覚えていない、というか、読んでいなかったのかもしれない。
ボルヘスの短編集であるが、誰かから聞いたといった書き出しが印象的だ。
どちらかというとリアリズムっぽい書き方だと思うが、スパイスのように幻想的なもの、ありえない事が織り込まれている。
例えば表題作だが、盲目で四肢の無い王が現われる。
それは何を意味しているのか?
ボルヘス的な幻想の質と、シュルレアリスムのデペイズマンの感覚とは、親近性があるような気がする。