雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

ハイリターン・マネジャー/佐藤通規、金澤透


これは図書館で借りて読んだ本。
キーワードはプレイング・マネージャー。
今流行りなのか身の回りでもよく言われるが、要は、曖昧な立場でワーカホリック的に自分を騙しながら、何でもやる人材、と乱暴に言い切ってみせよう。
マネージャーという人材に対して、組織体からの抑圧をかけるのではなく、キーワードの設定とビジネス的な価値観を付加し、加速させることで対象者たちの快楽原則に訴えかけようとしている。
官僚組織的な構造の中で構成するメンバーが一定の役割を果たすのではなく、各メンバーを自発的なワーカホリック集団に変質させることで、その組織が構成人数以上の力を発揮させようとする考えであろう。
もちろんその権力はビジネス集団の隅々まで行き渡っている不可視の構造であり、抑圧に働くのではなく、価値観に合致する場合は賞賛するという現れ方をする。
メンバーたちに対して「NO」ではなく「YES」で管理をするのだ。
そして、構成する人数以上の力がでる仕組み、発揮させるノウハウが詰まっている。
だがこういったビジネス本が退屈なのはなぜだろうか。
書いてあることが誤まっているのでもなければ、絵空事でもなさそうだ。
おそらく根本的な価値観が理解できないのだと思う。
ビジネスに含まれるあらゆるプロセスに快楽を見出せないのだ。
しかし、だったらここに居るな、とは言われず、ただ賞賛はされない、というのが、こう
いった本に代表される企業の管理手法であり、権力関係なのだ。


ハイリターン・マネジャー

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