この本もまた図書館で借りた本である。
一時期、本気で平屋が欲しかった。
当然ながら都内には無理なので、郊外に住む必要があるが、その頃は都心の近くに住み、暇があれば都内を徘徊したいと思っていたので、いまひとつ踏み切れなかった。
郊外の平屋で暮らすというライフスタイルと、その頃の興味を中心としたライフスタイルが折り合わなかった。
この本は、米軍ハウスや文化住宅をリノベーションし、そこに暮らしている人々を取材した写真集的なものと言えば良いだろうか。
著者のアラタ・クールハンド氏はイラストレーターであり、自身もそのようなライフスタイルで暮らす一人である。
「平屋暮らし」好き、という価値観を持つ人々のコミュニティもあるようで、様々な人々の暮らしが紹介されている。
住宅広告のようなイメージCGではない、リアルな生活がここには写っている。
古さも不便さもひっくるめた、ライフスタイルとしか言いようのないものが写っている。
平屋が欲しかったあの頃に比べると、今はどうだろうかと考える。
その価値観は理解できるが、そのライフスタイルで満足できるかどうかよく判らない。
一生のうちに100回近く引っ越したという、葛飾北斎の気持ちがわからないでもない。
FLAT HOUSE LIFE 米軍ハウス、文化住宅、古民家……古くて新しい「平屋暮らし」のすすめ
- 作者: アラタ・クールハンド
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/10/30
- メディア: 単行本
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