雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

夢の宇宙誌/澁澤龍彦

今更ながらに澁澤龍彦を読み返してみる。
あとがきで本人が自分のスタイルを見つけた一冊だと書いている。
1960年代に書かれたということもあるのか、文章はやや生硬な感じがする。
いや、そうではない。
この本におけるエッセイは、あるテーマの下に様々なエピソードを連ねていく。
それは時系列でもなく、イメージの連想にも似た修辞法のように思える。
だがその修辞法がまだ、今ひとつしっくり来ないのだ。
様々なエピソードを並べるだけでなく、そこに意味を持たせようとしてしまっている。
だが意味を見出すのは読み手である。
その辺りがぎこちない理由であろう。

夢の宇宙誌 〔新装版〕 (河出文庫)

夢の宇宙誌 〔新装版〕 (河出文庫)