雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

日本の昔ばなし1〜3/関 敬吾 編

日本各地で採集した昔話が、100編以上収められている。
それを一気に読むと、流石に食傷気味になる。
しかも各地の方言が入り乱れ、正直なところ読み易いものではない。
様々に語られた昔話から、そこで暮らす人々の心象を探りたいと思ったわけでもない。
ここには作者がいるのだろうけれど、明確な輪郭を持った個人ではない。
かと言って、何かの共同体を代表するようなものでもないだろう。
恣意的に拾い上げられた物語のかけらのようなもの、と思えばいいのかもしれない。
語られ方によってはもっと面白くなりそうなのもあり、面白く語っているのだろうけれど、その面白さが判らないものもある。
物語としての強度のようなもの、或いは語られる速度のようなもの、そういった洗練さに結びつく要素が決定的に欠けているのかもしれない。


桃太郎・舌きり雀・花さか爺 (岩波文庫―日本の昔ばなし)

桃太郎・舌きり雀・花さか爺 (岩波文庫―日本の昔ばなし)