雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

三好豊一郎詩集

三好豊一郎という詩人を知ったのは、いつどこでだったのか、もう覚えていない。
だが、「囚人」という詩(代表作と言ってもいいのだろう)だったのは覚えている。
その後、この本を買ったのは、その詩が忘れられなかったからに他ならない。
しかし、久しぶりに引っ張り出してみると、どうやら途中で読むのを止めていたようだ。
さて…
詩について解説してしまうこと、詩の言葉を別の言葉で語り直してしまうこと、しかも、語ったつもりになってしまうこと、は、止めておきたいと思っている。
ましてや、詩と詩人を混同してしまうのは、以ての外だろう。
ところで…
まとまった移動時間がある場合、何を読むべきかを考えた。
物語は、移動時間との過不足があったら、何とも言えない手持ち無沙汰になるだろう。
思想書と空間移動は何となくそぐわない。(気がする)
随筆の内容と移り行く風景は、何となく相性の良し悪しがありそうだ。(むしろ追求すべきテーマだったのかもしれない)
ということで、それぞれの作品が一つの世界である、詩集を持っていくこととした。
それで…
ここにある詩は、孤独、不安、恐怖、グロテスクなイメージを呼び起こす。
だが、そこに真実の告発だとか、攻撃の対象だとか、そういうものは見当たらない。
その詩そのものが、やはり一つの世界であるのだった。


三好豊一郎詩集 (現代詩文庫 第 1期37)

三好豊一郎詩集 (現代詩文庫 第 1期37)