「全地球凍結仮説」というのがある。
今から約6億年前、地球全体が氷に覆われ、巨大な雪球、スノーボールのようになっていたという。
この本は、そのスノーボールアース仮説を巡る、科学者たちの活躍と衝突を描いている。
仮説が誕生し、仮説を裏付ける証拠の発見、仮説を巡る様々な論争、そういった科学者たちの姿を描こうとしている。
地質学者、古地磁気学者、気象学者、古生物学者、様々な研究者が登場する。
彼らはみな、肯定するのか反発するのかの違いはあるものの、スノーボールアース仮説に取り憑かれている。
スノーボールアース仮説そのものに関する、まとまった内容の本ではない。
だが、頁を繰って話の流れを追っていくうちに、おおよそのイメージは得られるだろう。
乱暴にまとめてしまえば、プレートテクトニクスとスノーボールアースによるダイナミックな気候変動が、カンブリア大爆発を引き起こした、ということである。
読み物としては面白いのだが、今ひとつ物足りない。
- 作者: ガブリエル・ウォーカー,渡会圭子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/02/26
- メディア: 単行本
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
新書版も出るようだ。
スノーボール・アース: 生命大進化をもたらした全地球凍結 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ガブリエルウォーカー,川上紳一,渡会圭子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/10/07
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (12件) を見る