この本の存在を知ったのは、蓮實重彦の「物語批判序説」だったろうか。
もうその本も処分してしまい、基よりフローベールも読んだことなく、忘れていたのだけれど、ふと本屋でこの本を見かけて思い出した。
とは言え買う気はしないので、図書館で借りることにした。
この本は、こう言っとけばひとかどの人物に見られる、「紋切型」を集めた、という体裁だ。
そんな本が面白いのかというと、面白くないし、退屈ですらない。
書かれていることを肯定すれば、紋切型に満足する側の人間であり、否定をすればひとかどの人物には見られないということだ。
二重の罠がここには仕掛けられている。
その上、「すっごい面白い話なんだけどさ」と話し始めた話は、いまひとつ面白くない原理で、フローベールが「な?面白いだろ、俺って」という書きっぷりがどうにも鼻につく。
あとがきで知ったのだけれど、この本は「プヴァールとペキュシェ」の第二部として構想されていたらしい。
- 作者: フローベール,Gustave Flaubert,小倉孝誠
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/11/16
- メディア: 文庫
- クリック: 25回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
- 作者: G.フローベール,山田ジャク
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1998/11
- メディア: 新書
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (3件) を見る