雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

イスラーム文化/井筒俊彦

井筒俊彦氏は東洋学の大家であり、恥ずかしながら「意識と本質」は未だ読み通せずに、本棚の片隅に置いてある。
また、井筒氏はユングが主催していた「エラノス会議」に招聘された、数少ない日本人の一人であり、毎年のように、東洋文化について講演されていたようだ。
ともあれ、この本は講演を基に書かれたイスラーム文化の入門書である。
切り口は、宗教、法律、思想の3つである。
その中で、主流であるスンニー派、イランを中心とするシーア派、そしてスーフィズムにまで、解説が及ぶ。
その鮮やかな手つきで、イスラーム世界の入口が開かれる。
ヨーロッパ文明における、古代ギリシャ・ローマとルネサンスを結ぶミッシングリンクの一つがイスラーム文明であり、全世界の人口比で約23%がイスラーム教徒なのだが、あまりにも知らないことを思い知らされる。
イスラームについて、もう少し他にも読んでみるべきかと思った。


イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)

イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)