雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

第三阿房列車/内田百けん

何となく落ち着かなくて、気忙しい毎日が続くと、百鬼園先生に手が伸びてしまう。
一気に読んでしまうのが惜しくて、未読で取っておいた阿房列車シリーズの三巻目である。
内容はもう今更説明する必要も無いのだが、目的もなく旅に出る随筆、とでも言っておけばいいだろうか。
いつもの、ヒマラヤ山系氏も、見送亭夢袋氏も登場する。
この随筆の面白さについて説明しても、百鬼園先生の筆力に及ぶべくも無く、きっと駄弁を連ねるだけだろうから、内容には触れないでおきたい。
読書はいつも電車の中なのだが、「犬吠崎」のくだりや、ヒラヤマ山系氏の写真のくだりで、ニヤニヤしそうになったというのも、別によくある話だろう。
読み終えてしまって、少々、寂しい心地がする。


第三阿房列車 (新潮文庫)

第三阿房列車 (新潮文庫)

(それにしても、百鬼園先生が鉄橋を背景に河原で突っ立っている、この新潮文庫の表紙は秀逸だと思う。)