どうやら半年前に出ていたようなのだけれど、見逃していたのだろうか。
久しぶりに、ポール・オースターを読んでみる。
敢えてつまらなく言うなら、人生のどん底を彷徨うことになった主人公が、運命的な女性と出会い、救われもするのだけれど、その女性を失ってしまう、という物語だ。
これは、学者である主人公の物語でもありながら、彼に運命的に出会ってしまう彼女の物語でもあり、その彼女が本を書こうとしている忘れられた俳優の物語でもある。
そしてその俳優については、主人公が嘗て本を書いたことがあり、だからこそ物語が展開する。
複数の物語が重層的に組み込まれ、登場人物たちの痛みや哀しみが響きあう。
そして、ある種のミステリーとしても読めるかもしれない。
ポール・オースターの物語は、今回も読み終えるのが惜しいと思った。
- 作者: ポールオースター,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/09/28
- メディア: ペーパーバック
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