雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

国家民営化論/笠井潔

気になっていたので、図書館で借りてみたのだけれど、正直なところちょっと期待はずれだった。
一言で言うなら、アナルコキャピタリズムの概説である。
笠井氏が繰り返してきた観念批判の延長線として、アナルコキャピタリズムに行き着く論理は、なるほど納得がいくものだ。
だがこの本では、アナルコキャピタリズムに沿って考えるならこうだろう、という事項が連なっていく。
それは十分納得のいくものもあり、そうか?と思うものもある。
だがそれだけのような気がしてしまう。
論理が粗雑な部分もあるのだけれど、そういった類の本なのだと思うと、いったい笠井氏は何を意図していたのだろう。
ネタとしては十分なのだけれど、練れていない、あるいは消化不良な感が否めないと思うのだ。

借りたのはこっち
国家民営化論―ラディカルな自由社会を構想する (知恵の森文庫)

国家民営化論―ラディカルな自由社会を構想する (知恵の森文庫)

文庫でも出ているらしい