雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

故事新編/魯迅

中国の神話や故事を題材にした短篇集である。
どこかで聞いたことのあるような話もあるし、よく判らないのもある。
それにしても「剣を鍛える話」の、キレっぷりは凄い。
煮えたぎる鼎の中で、生首が戦うという発想は一体どこからやってくるのか。
因果応報だとか、勧善懲悪だとか、そういうことではないところから、物語が生まれているようだ。

故事新編 (岩波文庫)

故事新編 (岩波文庫)

解説で触れられている、魯迅と革命思想との繋がりはよく判らない。
魯迅について知らな過ぎるのだけれど、作品を読む限りにおいては、それは深読みが過ぎるような気がする。
また、この作品集が出来上がるまで、13年かかったという。
ずっと付きっ切りだったわけではないだろうが、何かを作るのに13年かかるというのは、大変なことだろうと思う。
魯迅自身の事情なのかもしれないが、時代背景もあるように思う。
ともあれ、中華民国という存在、20世紀初頭の中国文学は、あまり触れてこなかった分野のひとつだ。
もっとも、あまり取り上げられることが無いように思うのは、ただの勉強不足だろうか。