この歳にもなって、バルザックを読んでいなかったのはどうかと思う。
だが、最初に読むバルザックの作品がこの本であるのも、どうかと思う。
いずれにしても王道を通れないのだから、通れる道を通るしかあるまい、と開き直ってみたところで、教養の浅さを誤魔化せるものではないのだから、お里が知れるというものだ。
セラフィタ(あるいはセラフィトゥス)が何者であるかはこの物語の核心であるのでここでは記さない。
だが、それを中心に展開される神学的神秘論議にはついていけない。
無限なる存在としての神?
だから何だというのだろう。
延々と続く神秘論議に鼻白むものを覚えつつ、何とか読み終えたのだった。
きっと、バルザックはもうこれ以上読まない。
- 作者: バルザック,蛯原徳夫
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- 作者: オノレ・ド・バルザック,沢崎浩平
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