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雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

西東三鬼集/西東三鬼

西東三鬼は昭和初期の俳人である。
と言っても良く知らない。
なぜこの本に辿り着いたのかも覚えていない。
そもそも俳句だって語れるほどに知らないのだけれど、西東三鬼の句はモダニズムだと思った。
この場合のモダニズムとは、内容に先行するスタイルがあるということを指している。
読み通したことがあるのかも覚えていないのだけれど、今回読み返してみて、句にも増して、散文の「神戸」「続神戸」が素晴らしかった。
「神戸」は西東三鬼が東京を逃れ、戦時下の神戸の、トーアロードのホテルで過ごした日々、「続神戸」は焼け出され、戦後の山の手で過ごした日々とそこで出会った人々を回想している。
どことなく、金子光晴の自伝にも似ている。
無国籍な人々と娼婦たちと進駐軍が、エキゾチックで、どうしようもなくて、切ない感じがする。
ちょっと自分を美化していないかとも思うのだが、まあ許せる範囲だろうか。
映画化するとしたら、鈴木清順監督が思い浮かんだ。
ちょっとググってみると、小林桂樹主演、早坂暁脚本で、NHKテレビでドラマ化もされたらしい。
ちょっとそれはイメージが違うと思う。

西東三鬼集 (朝日文庫―現代俳句の世界)

西東三鬼集 (朝日文庫―現代俳句の世界)