雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

十六夜日記/阿佛尼

旅行中に読んでみた。
阿佛尼が京都から鎌倉に至る「道の記」、鎌倉滞在中の京都との遣り取りの「東日記」、そして「長歌」から成っている。
併せて、「阿佛仮名諷誦」「阿佛東くだり」が収められている。
結構、急ぎ足の旅のようで、夜に泊まるところが云々と言う記述もある。
むしろ、鎌倉時代であり、東海道の宿場はまだ整備されてはいなかった、ということかもしれない。
いまいちピンと来ないまま、一通り読み終えた。
そして解説を読んで知ったのだが、どうやら阿佛尼は細川の荘の相続に関して、武家法に基づいた裁定を求めるために鎌倉を訪れたということらしい。
風情もへったくれも無い旅だったようだが、神事に願をかける歌を詠むあたり、そういった事情もあるのだろうか。
というか、その程度の内容ならば、高校の古文で習っていそうなものだが、全く覚えていない。
うわの空だったのだろうか。
たぶんそんなとこだろう。

十六夜日記――附 阿仏仮名諷誦 阿仏東くだり (岩波文庫)

十六夜日記――附 阿仏仮名諷誦 阿仏東くだり (岩波文庫)

持っているのは、昭和9年の初版。
日本赤十字病院に勤務されていた、関根民子さんという方の署名と、幾つか書き込みがある。
本に傍線を引いたり、書き込みをするのは嫌いだが、この本の書き込みは消せないでいる。