雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

銀座24の物語/銀座百点編

学生の頃に友人たちとした話に、
「東京と言ったらどこを思い浮かべるか?」
というのがある。
横浜方面の友人は渋谷と答え、多摩方面の友人は新宿、埼玉方面の友人は池袋と答えていた。
北関東から東北出身だったら上野や浅草とでも答えただろうか。
自分の中では、東京丸の内から皇居に続く、普段は封鎖されている道路が思い浮かぶ。
ロラン・バルトを気取って、東京の中心は空虚だ、などと呟いてみるつもりではない。
銀座と答える友人がいなかったのは、出身地だけでなく、年齢のせいもあるかもしれない。
物語の舞台を銀座にするだけで、何かしらのクオリティを手に入れることが出来る、そういうものなのだろうか。
正直なところ、この本に収められた作品の全てが気に入ったわけでもない。
読み進めるうちに、中学生の頃に手当たり次第に読んだ週刊誌の、短篇小説の感じを思い出した。
これが面白い、という感じなのだろうか、と自問自答しながら読み進めるような。
そう思うと、その頃から読書の偏向度は、そう変わっていないのだろう。
読んだ感想代わりに、自分にとっての銀座とは何かをここで語りたくなってしまうのも、銀座の魔力かもしれないが、その手には乗りたくない。
従って、この本に収められている作家は以下の通りである、と紹介してお茶を濁す。


椎名誠
皆川博子
久世光彦
山田太一
赤川次郎
藤堂志津子
志水辰夫
安西水丸
常盤新平
森村誠一
群ようこ
高橋治
連城三紀彦
藤沢周
嵐山光三郎
橋本治
平岩弓枝
小池真理子
大岡玲
藤田宣永
江國香織
佐野洋
鷺沢萠
村松友視


解説は、松たか子


銀座24の物語 (文春文庫)

銀座24の物語 (文春文庫)