雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

転がる香港に苔は生えない/星野博美

古本屋で見つけて散々悩んだ挙句買うことにした。
星野博美氏の代表作のようだ。
中国返還前後の香港に滞在した記録である。
紀行でもなく、ガイドブックでもない。
日々起こる出来事が記され、香港という都市、香港人という人々、といったものが浮かび上がってくる。
だが同時に、これは星野氏の個人的な経験の記録であり、幾分、そこに肩入れできかねるのも事実だろう。
焦燥感だとか不安だとか、それを読む読者は意識されていないようだ。
だから読み進むうちにある種の胸苦しさを覚える。
体調のあまり良くない時には、この本は読まない方が良いだろう。
こういう言い方もどうかとは思うが、他に良い言い回しを思いつかないので敢えて書くのだが、無神経にずかずかと入り込んでいくような感じがした。



転がる香港に苔は生えない (文春文庫)

転がる香港に苔は生えない (文春文庫)