古本屋で見つけて、衝動買いした。
なぜ過去は斯くも恥ずかしいものなのか、と私は思っているのだが、谷川俊太郎氏は易々とそれを提示してしまっている。
本当は易々とではないのかもしれない。
10代の恥ずかしさとは違う、20代の恥ずかしさ、くだらなさ、駄目さに、二度と戻りたくはないと思っているのだが、谷川氏もこの本の頃に戻りたいと思っているのではないようだ。
それは紛れもなく嘗てあったものであり、それを否定することなく正面から捉えようとしている、という本なのだろうとは思う。
だが、読み手である私には、焦燥感や胸の苦しくなるような恥ずかしさに苛まれてしまう。
決して戻りたいと思っているのではないが、かといって消し去ることも出来ず、現在を苛む過去の私と言う存在と、どう折り合いをつければ良いのか、今は答えはない。
- 作者: 谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (6件) を見る