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雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

マレー蘭印紀行/金子光晴

昭和初期の東南アジア
金子光晴は日本を脱出し東南アジアを放浪し、やがてパリに行き着く。
「どくろ杯」「西ひがし」「ねむれ巴里」での旅の記憶より、この本に描かれる南国の風景は、生活の匂いがする。
日本人、中国人、マレー人、インド人、様々な民族がそこにいて、それぞれがそれぞれのやり方で生きている。
この本に登場する日本人の姿でも印象深いのは、娘子軍、たぶん「からゆきさん」の話だ。
貧しい農村の娘たちが売られて、香港の女衒から満洲、中国内陸部、東南アジアへと送られる。
過酷な状況で身体を売って暮らし、情夫に金を巻き上げられて、故郷に戻ることなくやがて亡くなる。
彼女らが切り開いていった土地へ、男たちは商売目的で入り込んでゆく。
明治日本の植民地政策の末端の姿が、垣間見えているようだ。


マレー蘭印紀行 (中公文庫)

マレー蘭印紀行 (中公文庫)