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雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

東日本と西日本/

アンソロジー

この本もまた図書館で借りた。
網野善彦宮本常一の名前があったので読んでみようかと思ったのだが、正直なところ期待外れだった。
いまさら東日本と西日本を対立項として捉えることに、あまり意味があることとは思えない。
古代から現代までの縦糸に対して、様々な切り口で東西の差を論じているのだが、どれもこれもこじつけのように見えてしまう。
聊か鼻白む話ばかりで、途中で読むのを止めようかと思った。
つまり、この議論そのものではなく、議論され得ない部分に、主題は隠されているのだろう。
例えば、方言における東西の違いを近畿と関東の比較で語ろうとするのは、吉本隆明の南島論に登場する東北と琉球を古層とした伝播の層構造の一断面を取り出しているに過ぎないだろうと思う。
また、民謡や地方特産品の話に海運の発達の話が登場しながらも、その発展との関連に議論が至っていないのは、残念だと言わざるを得ない。
ともあれ、日本史の門外漢の私でさえそう思うのだから、どうにももったいない本であることに、間違いはないだろう。