この本もまた図書館で借りた。
この本もまた処分してしまった本だ。
橋本治を読むのは、高校生以来だろうか。
いや、大学時代の女友達が橋本治の講演の話をしていたから、大学生以来だろうか。
ともあれ、それ以降手に取らなかったように思う。
この本は大半が10代の少年のモノローグで作られた連作小説だ。
Simon & Garfunkelのベスト盤に寄せて構成されている。
それだけでなく、1980年代的な選曲も合わせている。
ともあれ主人公の少年たちに比べると、自分が如何に健全で良い子だったのだろうと思った。
もっとも、小説は創作なのだから、主人公はデフォルメされており、等身大であることなどそうは無いだろう。
橋本治を知ったのは、「ビックリハウス」である。
「ビックリハウス」を読んでいる同級生なんて、一人も居なかった。
だから、現実でもどこかしら違和感があって、10代の代弁者的な評価の橋本治の小説にも違和感があったのだから、ここではないどこかを探して彷徨うしかないのだった。
そして数十年ぶりに読み返してみて、やはり違和感は拭えない。
橋本治の小説世界には、求めているものは無かったし、今になってみても無いのだった。
たぶんもう読まないだろう。
S&Gグレイテスト・ヒッツ+1―橋本治短篇小説コレクション (ちくま文庫)
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