雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

ひとり暮らし/谷川俊太郎

久しぶりに読み返してみる。
この本に収められた「ひとり暮らしの弁」「私の死生観」といったエッセイを読むと、老いるのも悪くはないと思う。
飄々とした軽やかさが羨ましい。
いつ頃だったか、老人になりたいと、周囲に言いちらかしていた時期があったのを思い出す。
恐らく責任のない子供から、責任を全うした老人へと、一足飛びに通り過ぎて、人生を幕切れとしたかったのだろうと思う。
だが、自分が人生の折り返し地点も過ぎて、この先の下り坂が少しづつ見えてくると、軽やかさなんてものは吹き飛んでしまいそうになる。
世間の中でのしがらみやら付き合いやら責任やらが纏わりついて、まるで泥田の中を足を引きずって歩くかのような、暗鬱たる気持ちに捕らわれそうになる。
だからと言って、薄っぺらいポジティブシンキングなんかに耳を貸すだけ時間の無駄だし、恥も衒いもなく口にする輩には反吐が出そうだ。
仮に必死になっているとしても、それを他人には見せず察知されずにこなすのが、大人というべきものなんじゃなかろうか。
処世術的なビジネス本やら雑誌では学べない大人の姿がこの本にはあると思う。
とは言え、そもそも社会の中でのセグメントが違う気もする。


ひとり暮らし (新潮文庫)

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