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雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

リトル・ピープルの時代/宇野常寛

文系

久しぶりに読み応えのある評論だと思った。
読み応えがあるからといって、それは難解だということではない。
むしろ、すらすらと読めるのだ。
東日本大震災での日常と非日常という話から始まり、村上春樹の評論、「ビッグ・ブラザー」の自壊から「リトル・ピープル」へという権力論、そして父性のありようの変遷を、1968年と1995年というメルクマールを設定し論じている。
時代論、世代論、社会学的手法には、個人的にはどうしても懐疑的になってしまうのだけれど、村上春樹作品、ウルトラマン、平成版仮面ライダーに対する分析、考察は読ませるものがある。
特に、平成仮面ライダーの初めの頃は、日曜にリアルタイムで見ていたので、この本の分析には舌を巻かざるを得ない。
また、村上春樹作品の変節に対する評価も、実に的を得ていると思った。
「やれやれ」というデタッチメントからコミットメントへの変化、女性への性差別的な設定など、今まで何となく違和感のように感じていた部分が言語化されたように思った。
評論に対する評は蛇足の極みに他ならない。
とりあえず、久しぶりに読み応えのある評論だと思った。


リトル・ピープルの時代

リトル・ピープルの時代

図書館で借りたのはコレ


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電子書籍にもなっているのか