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雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

自分じゃない人/佐内正史

一時期、写真に凝っていた。
休みの日に時間があれば、ぶらぶらと街を歩いて、写真を撮っていた。
ちょうどトイカメラのちょっとしたブームで、Lomo LC-Aも持っていたし、Olympus PENは何台も使っていた。(今も持っている)
別に何かテーマがあったわけでもない。
トマソンぽいもの、ちょっと変わったものは撮ったし、記念写真的なものは撮らなかった。
強いて言えば、狛犬をしばらく撮っていたけれど、そのうち飽きた。
橋を撮ろうかと思ったこともあったけど、ロケーションを探すのも大変だし、そんなに旅行ばかり出かけてもいられなくて、実現できなかった。
自分で撮るだけじゃなく、写真集も集めたり、趣味の合いそうなHPを探したりした。(当時は、まだブログは浸透していなかった)
自分の撮った写真の大半は屑だと思っているが、極稀に、おっ、と思う写真が撮れる。
その辺の才能の無さで、徐々に離れていってしまった。
佐内正史のこの写真集の大半はピンぼけだ。
わざとアウトフォーカスして、何ともやわらかい輪郭の写真にしているのだろうと思う。
構図もどこか不安定で、たぶん車中から撮ったのだろう。
延々と何かが不鮮明に写っている写真が続く。
だが、何故か心地良い。
同じ事をしようとしても出来ない。
固定焦点のOlympus PEN EE-2で撮った散歩写真でさえ、もっと鮮明に写る。
佐内正史の写真を見ていると、こういう写真を撮りたいなと思わせてくれる。
被写体とか、構図とか、露出とか、そういうことではない空気感のようなものが写っている写真。
かつて、街を歩いて写真を撮っていたのも、そんなことを考えていたんじゃないかと思い返している。
あの頃、結局は大量の屑を作ったのだけれど、また試みてみたいと思ってきた。


自分じゃない人

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