雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

鍵/谷崎潤一郎

本当は電子書籍版の全集で読んだのだけれど、そのことをいちいち言うのもどうかと思って、これからは気になったものだけ取り上げようかと思う。

「鍵」は何度も映画化もされているから、有名な作品だろう。

読まれないように小細工をしながら、読まれることを前提に日記を書き、木村という第三者を触媒に、互いの欲望を探り合う夫婦の話。

互いの日記で構成され、繰り出されてくる谷崎の言葉は、どこまでも下世話だ。

秘密めいた倒錯した愉しみを描く谷崎の言葉のなんと活き活きとしている事か。

 

鍵 (中公文庫 (た30-6))

鍵 (中公文庫 (た30-6))

 

 

 

鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫)

鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫)