雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

失敗の本質/戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎

ちょっと気になっていたので買ってみた。

旧日本軍の作戦失敗の原因を、組織論で解説する、という本。

どっちかというと、歴史読み物というよりは、ビジネス書である。

学習する組織だとか、意思疎通だとか、そう言うのが気になる人向きかと思う。

逆に、何が言いたいのかぼやけているような気がしなくも無い。

失敗した作戦を取り上げて、そこにある原因を分析するのは間違ってはいないだろうが、成功への転回点は曖昧になっているように思った。

答えの明示、今までにない提言、といったものを欲しがるビジネス書の読者層には、この長さは耐えられないかもしれない。

かといって、出来事のディテールにこだわりたい歴史ファンにしてみると、紋切り型に近い原因分析は退屈なのではないだろうか。

私はどちらかというと、歴史ファン目線で読んだので、日本人論的な分析、組織論への展開に至るにつれて、聊か鼻白む思いがした。

 

 

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)