幸田文をもう一冊。
今回も図書館で借りたのだけど、こちらの方が気になっていたのだった。
タイトルの通り、木に関する随筆である。
雑学を披露するでもなく、淡々と木に対する印象や描写で綴られ、作者の思いが込められる。
随筆とは随想、つまり心に浮かぶ由無し言を、書き綴ったものだと言えば、誠に正しい随筆であると言える。
だが一方で、そういう文章は反りが合わないと腑に落ちないものになるだろう。
残念ながらこの本は、今ひとつピンと来なかった。
良い文章だし、テーマだって面白いのだが、ちょっとついていけない。
読んでいても言葉が上滑りして、どうも腑に落ちた感じがしない。
残念である。