雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

トンデモ一行知識の世界/唐沢俊一

軽めの本が読みたくなり、ふと読み返してみた。 いわゆる、薀蓄だったり、トリビアだったり。 その内容自体がどうということも無く、淡々と読み終える。 『ト』的なるものを面白がる気にもなれない。 どうやら疲れているようだ。 別の本を読みたくなる。 だ…

テロルの現象学/笠井潔

笠井潔氏の最初の評論である。 なぜ人は観念的なるものに支配されてしまうのか、を現象学的に、あるいはヘーゲル現象学のパロディとして展開している。 引用される文章も、吉本隆明、高橋和巳、埴谷雄高、ドストエフスキー、バタイユ、ヘーゲル、エリアーデ…

キリコのコリクツ/玖保キリコ

本本堂から出ていた5冊のうち、最後に刊行されたっぽいのが、この本である。 当時は、「シニカル・ヒステリー・アワー」を読んでいたので、買ったのだろう。 ちょっと変わった視線で日常を捉える、といった感じ。 特筆すべきは、坂本龍一、矢野顕子、玖保キ…

長電話/高橋悠治+坂本龍一

奥付を見ると1984年に出版されたようだ。 いまさら、この二人について解説する必要も無いだろう。 そして内容も、ただこの二人が電話で雑談しているだけである。 むしろ、坂本氏の個人出版社「本本堂」の刊行物としての価値があるかもしれない。 Wikiによる…

星の王子さま/サン=テグジュペリ

一体どんな気持ちでこの本を買ったのか覚えていない。 既にこの本に心を動かされるような年代は過ぎたと言うのに、この本を手にとってしまった。 その時一回読んだきりで、本棚の隅に置かれている。 なので、改めて読んでみたのだけれど、一体どんな顔で感想…

本と逃亡犯

つい先日、一連のオウム真理教事件の特別指名手配犯がマンガ喫茶で逮捕され、その所持品から教団関係の本が10数冊見つかったという。 ニュースでは、未だ教団への帰依を表すものとして捜査している、と報じていた。 その後のニュースを丁寧に追いかけてはい…

インターネットで古本屋さんやろうよ!/芳賀健治

いささか思うところがあって、この本を読んでみた。 少しだけ元気をもらった気がする。インターネットで古本屋さんやろうよ!作者: 芳賀健治出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2003/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 26回この商品を含むブログ (20件) …

新しい天体/開高健

関西弁で言う「けったいな」という形容詞のニュアンスは判らない。 だが、この本は、誰も居ないはずのトイレのドアをノックしたら、返事があった、という話と競るほどの、けったいな話、であるらしい。 主人公は省庁の予算確保のため日本中の美味を堪能する…

ことばあそびうた また/谷川俊太郎

娘の反応が面白かったので、続編も借りてみた。 だが、いまひとつ反応が悪い。 大人目線では、本編よりこちらのほうが、詩的なのだけれど。 娘の中で、どこに基準があるのか、いまひとつ判らない。 ことばあそびうた (また) (日本傑作絵本シリーズ)作者: 谷…

食の王様/開高健

開高健のもうひとつのよく語られる切り口は、食べ物に関するエッセイの上手さ、というイメージがある。 なので、そのまんまのタイトルの本があったので借りてみた。 しかし、いきなり人肉嗜食の話から始まり、ゲテモノ食いの話も出てくる。 これはちょっと外…

モンゴル大紀行/開高健、高橋昇

初めて開高健を読むのだけれど、どうやらドキュメンタリー番組を本にしたものらしい。 何と言うか、入り方が邪道で、つくづく王道から縁遠いのは、自分の性格だろうか。 ともあれ、モンゴルにチンギス・ハーンの墓陵を調査し、120cm超のイトウを釣りに行く。…

夫婦茶碗/町田康

確か買ったような記憶があるのだけれど、手元に無いので処分してしまったのかもしれない。 図書館で目に留まったので借りてみた。 (この前に読んだ、松尾スズキ同様で、共に「ま」の棚である) 町田康というよりは、町田町蔵なのだけれど、それはこの本とは…

クワイエットルームにようこそ/松尾スズキ

著者も知らないし、映画になっていたことも知らなかった。 世間の話題に疎くなっているようだ。 何となく図書館で、一番上の棚にあって、手にとった。 フリーライターの主人公が、恋人と喧嘩の果てに、オーバードーズで救急車で運ばれる。 主人公は精神科病…

ヨーロッパの乳房/澁澤龍彦

澁澤龍彦の本は処分してしまうのだけれど、この一冊が気になったので、ちょっと読んでみた。 その人にとっての旅が何であるか、その問いもまたその人をよく表す一面なのではないかと思う。 澁澤龍彦にとっての旅とは、再確認であるかのようだ。 恐らく旅行中…