雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

高瀬舟/森鴎外

前にも書いた気がするが、私は名作と言われる作品をあまり読んでいない。 濫読の偏読では無教養といわれても仕方ないので、たまには名作を読んでみようかという気になる。 もちろん読んだからといって、無教養が解消する訳ではない。 ということで、森鴎外の…

熊野的領域/木崎武尊

30代の前半の頃、熊野にはまった。 中上健次の描く熊野がその導入だったとしても、見聞きし、感じたのは全く異なる。 そして、熊野古道に代表される観光とも異なっている。 その経験を語ることを良しとはしないのだけれど、熊野的な空間をあれから他に見出せ…

黄金の驢馬/アープレーイユス

気になって読んでみた。 以前、オシテオサレテにて紹介されていたのが気になっていた。 ロバに姿を変えられた主人公が、人間社会の裏側をちら見させるのだが、何と言うか、ふざけた話ではある。 同じく古代ローマ期の小説で比べるなら「サテュリコン」が食と…

読書村

かつて実在した村。 今は存在しない。 場所はここ。 http://goo.gl/maps/qDkjt 今は、長野県木曽郡南木曽町大字読書、というらしい。 Wikiによると、三つの村が合併して、「ヨミカキ村」が出来たらしい。 ちょっと気になるような、そうでもないような。 読書…

使うハーフサイズカメラ/飯田鉄

何となく寝ながら頁をめっくていた。 本を読みたくないのか、読みたいのか良くわからない。 ハーフサイズカメラは今でも使っている。 とは言っても、旅行先で電池の心配の要らないOLYMPUS PEN EE-2が、専ら出番が多い。 本当はオリジナルのPENで綺麗に撮りた…

転がる香港に苔は生えない/星野博美

古本屋で見つけて散々悩んだ挙句買うことにした。 星野博美氏の代表作のようだ。 中国返還前後の香港に滞在した記録である。 紀行でもなく、ガイドブックでもない。 日々起こる出来事が記され、香港という都市、香港人という人々、といったものが浮かび上が…

Boys And Girls/浜崎あゆみ

車で流していたCDにこの曲が入っていた。 ちょっと懐かしい感じもしたが、それ以上に、改めて歌詞に聞き入ってしまった。 特に幾度も繰り返されるサビのフレーズの意味がどうしても理解できないのだ。 反語表現によって、「僕ら」を遮ることが出来ないことを…

ガルガンチュワ物語/フランソワ・ラブレー

全5巻セットを持っているのに、しまいっぱなしだったのをふと思い出して、読んでみた。 実にくだらない。 そして面白い。 巨人のガルガンチュワは耳から生まれ、「のみたーい!のみたーい!のみたーい!」と産声をあげる。 お乳を飲ませるために、17913頭の…

私自身のための俳句入門/高橋睦郎

詩人の高橋睦郎氏が俳句の本か、と思って買った。 というのは、かれこれ17年前のようだ。(レシートの日付は1996年だった) 読みかけては止めてを繰り返していたのだけれど、改めて通読してみる。 俳句の本のはずが、記紀歌謡から始まる。 和歌とは一体何物…

フル・ムーン/マイケル・ライト

何となく月の写真集を眺めている。 地上から見る月じゃなくて、アポロ計画で映された月は、美人に興醒めするようなものかも知れない。 だが、強い光と影のコントラストで彩られた岩だらけの地表と、大気のない黒い空に、何だか惹きつけられるも事実だ。 そこ…

サテュリコン/ペトロニウス

何度か読みかけては止めていたのだけれど、ようやく読み終えることが出来た。 古代ローマの小説なのだけれど、一言で言うならスラップスティックだと思った。 特に「トリマルキオンの饗宴」の章は圧巻だ。 奇想天外な料理の数々と、狂騒的な台詞回しは、冷静…