雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

郷愁の詩人 与謝蕪村/萩原朔太郎

本棚の岩波の黄帯、緑帯を整理していたら、この本が出てきた。 どうやら、この本も途中までしか読んでいなかったので、改めて読んでみる。 本のタイトルの通り、与謝蕪村を郷愁の、浪漫派詩人の先駆者として、萩原朔太郎は評価している。 それは、正岡子規か…

方丈記/鴨長明

何となく取り出して読んでみる。 鎌倉時代の古文とは言え、原文でもほんの数時間で読めてしまう。 確か高校生の時にも、日曜日に一日で読み終えたのだった。 いまさら内容や作者について書く必要も無いだろう。 作者が60歳の頃に書いたようだ。 果たして自分…

江戸アルキ帖/杉浦日向子

ふと、杉浦日向子女史の江戸モノが読み返したくなった。 自分の中での江戸ブームが続いているのかもしれない。 タイムトラベルして、江戸の街を散策し、そのスケッチと文章をまとめた、という体裁の本である。 一口に江戸時代といっても、200年もあるわけだ…

雨月物語/上田秋成

今更ながらに、上田秋成を読んでみる。 開いたら、栞が途中に挟まっていたので、おそらく読み通していない。 現代語訳付なのだけれど、そこはやはり原文で読む。 が、古文の時間はあまり身が入らなかったので、所々、判らなくなる。 こういう時は、現代語訳…

イコノソフィア/中沢新一

「イコノソフィア」で検索したら、自殺したくなる曲という都市伝説があるらしいが、この本とは関係が無い。 1980年代後半の中沢新一氏は、ニューアカデミズムや新人類というレッテルを貼られたポップスターだったのを思い出す。 それが良かったのか悪かった…

背景の記憶/吉本隆明

ふと、吉本隆明氏の歯切れの良い文章に触れたくなる。 この本は、吉本氏が過去について触れた、雑多な文章を集めている。 あとがきによると、担当者の小川哲生氏の編集力も素晴らしいようだ。 吉本氏自身でも語っているように、ある種の自伝のようでもあり、…

日本の名随筆27 墨/篠田桃紅 編

様々な人の文章をテーマに沿って集めた「日本の名随筆」シリーズである。 久しぶりに読み返してみた。 実際のところ、名文、美文ばかりとは言えない気がするが、だからと言って微に入り細に入り論うつもりも無い。 墨と言いつつ、書に言及している文章も多い…

漢和辞典が欲しい

家にある漢和辞典は、三省堂の「新漢和中辞典」なのだが、最近、これが使いづらいように感じている。 もう何十年と使っていて、いまさらなのだけれど、字を引き難いように思う。 学生の頃は、何とも思っていなかったのに、最近そう感じるのは、字典の部首索…

光車よ、まわれ!/天沢退二郎

しばらくぶりに読み返して、やはり素晴らしいと思った。 この本は、詩人の天沢退二郎氏によるジュブナイルである。 もしかすると、ジュブナイルが好きなのかもしれない。 主人公に超人的な能力があるわけでもないのだけれど、突然、世界が変質するところから…

言葉からの触手/吉本隆明

1989年の吉本隆明氏の作品。 評論のようでもあり、詩のようでもある。 時事的な話題を取り上げつつも、まるで観念論のようにも見える。 言葉と身体を重ね合わせ、身体の喩で思考する。 むしろ、観念を身体に向かって開いてゆくことで、新たな思考のありよう…

妖怪談義/柳田國男

かつてこの本は、水木しげる氏の「妖怪なんでも入門」に次ぐ、妖怪本の古典だったのだけれど、読み通していなかったようだ。 (その頃は、小松和彦氏の著作も、井上円了の名前も知らなかったのだった。) 改めて再読してみる。 柳田國男氏のこの本は、代表作…

忘れられた日本人/宮本常一

この本もまた、忘れられなくて買い直した本である。 集められた話の真偽を云々するつもりも無い。 語りの妙は、宮本常一氏の編集力が素晴らしいのだと思う。 改めて読み返してみると、取り止めも無く語られた話を、再構成したのだろう。 そこには、宮本氏自…