雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

人柱の話/南方熊楠

少し電子ブックにはまっているようだ。 やはり、スマホで手軽に読めるのは良い。 逆に、電池が切れると読めなくなるのはいまひとつ。 なので、電子ブックリーダーが欲しくなる。 だったら、タブレットで良いんじゃないかとも思う。 ともあれ、南方熊楠を読ん…

易の占いして金取り出したること・失うた帳面を記憶力で書き復した人/南方熊楠

南方熊楠までもが青空文庫になっているとは、ちょっと驚きだ。 今年からは、柳田國男も入ってくるだろうか。 内田百けんは入っていない。 それはともかく。 この本は、というよりこの随筆2篇と言った方が良いだろうか、南方熊楠がこんな話がある、という感…

だしの取り方/北大路魯山人

またしても電子書籍。 そして只。 「何でも鑑定団」でお馴染みの、魯山人である。 内容はタイトルの通りの薀蓄なので、特に取り立てて言うことも無し。 読みたい本が無いときのつなぎに、こういった電子書籍は役に立つかもしれない。 だしの取り方作者: 北大…

ナショナル・ストーリー・プロジェクト/ポール・オースター

長いことこの本は買おうかどうしようかと迷っていた。 でも、先日思い切って買ったのだ。 買ったは良いのだけれど、今度は読もうかどうしようかと迷っていた。 (その隙に、電子書籍に手を出したりして) ポール・オースターがラジオ番組のために、聴取者か…

此処彼処/川上弘美

図書館で借りてみた。 川上弘美氏はこれで三冊目ぐらいだろうか。(めんどくさいから数えない) 場所をめぐるエッセイである。 この本もまた、さらりと読み流せる。 自分の場所なるもの、それについて書くのかと思いきや、するすると別の方向に滑り出してい…

女流阿房列車/酒井順子

図書館で借りてみた。 著者のことは全く知らない。 「阿房列車」というタイトルに惹かれただけのことだ。 だが、読んでみると、これがなかなかに面白い。 軽くさらりと読み流せる。 自称の乗り鉄のようだが、車中で爆睡していたり、うんざりしていたり、何だ…

鍵から抜け出した女/海野十三

電子ブックを引き続いて読んでみる。 一篇づつという辺りはお手軽と言うか、もどかしいと言うか。 確かにこの文体似ているかもしれない、と思い始めてきた。 海野十三は「新青年」にも、作品を発表していたようだ。 そういわれてみると、モダニズムの雰囲気…

三角形の恐怖/海野十三

以前より、「文体診断ロゴーン」で、私の文章が海野十三に似ているとの解析結果が出ていたので、ならば読んでみようという気になった。 しかも、電子ブックなんて無縁だと思っていたのだけれど、スマホに買い換えたついでに電子ブックリーダーを入れて、ダウ…

日本の島々、昔と今。/有吉佐和子

本屋で見かけてちょっと気になったので、図書館で借りてみた。 そもそも有吉佐和子氏を読むのは、これが初めてである。 あまり手が延びない類の作家だ。 苦手ということでもないのだけれど、あまり興味をそそられないと言うか。 だいたい、他の著作を訊かれ…

新編 綴方教室/豊田正子

本屋で立ち読みして、鶏を絞める件を読んで、ちょっとだけ気になったので図書館で借りてみた。 豊田正子氏の「綴方」の授業の成果を本にまとめたもののようだ。 拙い文章だったのが、みるみる長さが伸びて行き、表現が豊かになってゆく。 事実の羅列だったと…

アノニマスケイプ こんにちは二十世紀/細川文昌

とても静かで恐ろしい本だと思った。 行旅死亡人とは、行き倒れて亡くなった方である。 明治32年に公布された「行旅病人及行旅死亡人取扱法」によって、手続等が定められている。 市区町村や公共団体が救護し、亡くなられた際は埋葬し、その費用を家族等に請…

最暗黒の東京/松原岩五郎

ちょっと気になっていたので図書館で借りてみた。 明治時代の東京の貧民窟、つまりスラム街に入り込んでルポルタージュした本である。 当時の三大貧民窟が、下谷万年町(今の上野駅から鶯谷に向かった東側の一角)、四ツ谷鮫ヶ橋(信濃町と四ツ谷の間、赤坂…

ソングライン/ブルース・チャトウィン

何となくチャトウィンが気になったので、図書館で借りてみた。 とても不思議な本だ。 ノンフィクションのようなのだが、フィクションのようでもあり、ある種の哲学書のようなものにも思える。 アボリジニたちの土地と移動と歌に始まり、人類進化の過程におけ…