雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

砂の女/安部公房

久しぶりに読む安部公房は、相変わらず居心地の悪さのようなものが漂っていた。 恐らく永遠に居心地の悪い小説のような気がする。 いまさらあらすじを紹介したり、何のメタファーなのかという話をするのは、止めておこうと思う。 昆虫採集を趣味とする男が砂…

コンニャク屋漂流記/星野博美

星野博美を知ったのは、このブログをはてなに引っ越した頃に見ていた、とあるブログだったと思う。 そのブログがどこだったかもう覚えていないが、おそらく同年代だろうと思われるブロガーが、星野博美にシンパシーを寄せていたのを覚えている。 かれこれ10…

不思議図書館/寺山修司

たぶんこの本を読んだのは、高校生の時だ。 昭和59年の初版である。 確か家の近所の小さな本屋で買ったのだと思う。 古本屋で見つけた珍しい本を紹介していくというスタイルで、サブカル的な話題を回していく。 軽く読めるが、シュルレアリスムやドゥルーズ…

金沢・酒宴/吉田健一

何となく読み返してみる。 Twitterをはじめとする短文に慣れていると、なんと読みにくい文章であることか。 だらだらと句読点もなく続く文章は、詩的というか、回りくどいというか。 そして金沢という舞台設定は、金沢という街を紹介するでもなく、むしろマ…