雨の日は本を読んでいたい

あの時の本を読み返したら、今はどう思うのだろう。いつか読み返すために、思いついたことを書いておこう。読みたい本が尽きなければ、雨の日だって、晴れの日だって、読みたい本だけ読んでいたい。

2021-01-01から1年間の記事一覧

ルワンダ中央銀行総裁日記/服部正也

ネットの知り合いが薦めていたので読んでみた。 日本銀行の銀行員がルワンダ中央銀行の総裁として、経済再建を担う。 これはフィクションではなく実話であり、日本人の支援活動というもの一端が見える。 著者の銀行員としての矜持と、ベルギーの旧植民地ルワ…

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン/ピーター・トライアス

この本もまた図書館で借りた。 SFだったら買っても良いかと思っているのだけれど、評判があまり良くなくて躊躇ってしまった。 読んでみた結果としては買っても良かったなと思った。 改変歴史物で、第二次世界大戦で日本が勝利した1980年代の世界が舞台である…

わたしのいるところ/ジュンパ・ラヒリ

なんとなく借りてみた。 ずいぶん昔に「停電の夜に」を読んだ覚えがある。 だがそれだけで特に気になっていなかったが、ふと読んでみようと思った。 どこかイタリア?の古い街に暮らす中年女性が主人公である。 瑣細な事が気になるような性格で、共感できる…

2020年6月30日にまたここで会おう/瀧本哲史

久しぶりに瀧本哲史の著作を読む。 一時期、「君に友だちはいらない」を読んだ上司が心酔し、社内で回し読みがあったことを懐かしく思った。 この本は東大での講演を文字に起こしたものであるため、話題は飛んだり説明が足りなかったりもするが、趣旨は分か…

イスラム飲酒紀行/高野秀行

taknalというアプリですれ違った一冊。 禁酒が戒律であるイスラム圏で酒を飲むというエッセイ。 面白可笑しく書かれているのであるが、見えてくるのは文化の多重性であり、異文化に対する無理解だという事が分かってくる。 イスラムとは何か、ということを理…

今夜、すべてのバーで/中島らも

もしかすると、中島らもを読むのは、これが初めてかもしれない。 Wikiで見てきたら、泥酔の上、転落死したのが2004年だった。 享年52歳。 今の自分の歳と重なると、ちょっと感慨がある。 だからといって何があるわけでもない。 この本はアル中で入院した顛末…

アルファベット群島/庄野英二

子供の頃に読んだ本をもう一度読み返してみたいと思っても見つからないことがある。 宮沢賢治や小川未明などはそんなことは無いのだが、経済高度成長期に創作された児童文学は何処に行ってしまったのか。 もっとも児童文学に限らず、大衆文学や中間小説やポ…

あなたの人生の物語/テッド・チャン

ちょっと前に知って気になっていたので借りてみた。 映画「メッセージ」の原作ということも、気になる要素の一つ。 実際読んでみると、面白いのだけれど理が勝つというか、いまひとつ物語世界に入り込めない感じがしてしまう。 とはいえ、「顔の美醜について…

文字渦/円城塔

気になったので図書館で借りてみた。 円城塔を読むのは2冊目だろうか。 文字にまつわる物語であり、遊びのようなものだと思った。 面白いのだけれど、ちょっとやりすぎな気もする。 残念ながら途中で飽きてしまった。 文字渦(新潮文庫) 作者:円城塔 発売日…

パワー・インフェルノ/ジャン・ボードリヤール

久しぶりにボードリヤールを読む。 ニューアカブームの終わり頃から久しく読んでいなかった気がする。 たぶんそんなに重要だとは思わなかったのだろう。 この本は9.11について書かれたものだ。 アメリカのグローバリズムを根底から覆す存在としてのテロリズ…

雀の手帖/幸田文

久しぶりに読み返してみた。 以前読んだ時も思ったけれど、幸田文の文章は昔の東京のしゃべり言葉に近い感じがする。 親の世代というより、祖父母の世代の言葉のようだ。 中盤で後の平成天皇のご成婚の話題が出てくるので、1959年に初出の文章なのだと分かる…

日日是好日/森下典子

久しぶりに読み返してみる。 茶道に関するエッセイである。 他に読んだことが無いので何ともわからないが、茶道とは何かという事ではなくて、茶道で得たものは何かという本なので、評判が良いのだろうと思った。 つまりユーザー目線であるということだ。 そ…

花嫁化鳥/寺山修司

ふとこの本のことを思い出して本棚から取り出した。 寺山修司の書いた紀行文である。 副題に「日本呪術紀行」とあるのは、サービスのような気がする。 日本の奇習、伝承を訪ね紹介する、という態を取りながら、その背後にある人々の姿を浮かび上がらせようと…

俺 勝新太郎/勝新太郎

勝新の自伝である。 例のパンツ事件の話から始まり、子供の頃から映画の話、中村珠緒との馴れ初めやTVの話など、勝新の半生が語られる。 たぶんこの本の数百倍のエピソードがあるのだろうけれど、その一端を覗くことができる本である。 難しい話など要らない…

働く人のためのアドラー心理学/岩井俊憲

電子書籍で買った。 何だかひどく疲れているので、こういった本に眼が行ってしまう。 疲れる原因というのは分かっていて、単純なものではないし、回避すれば良いという類のものでもないので、それらとどう付き合っていくのかという方法を探さねばならない。 …

サードプレイス/レイ・オールデンバーグ

家庭と勤務先に次ぐ場所をサードプレイスと言う。 そのサードプレイスについて、各国の分析、考察をしている。 社会学的分析だと思うが、分析というよりは観察じゃないかと思った。 そして話がアメリカ中心なのも気になる。 サードプレイス――コミュニティの…

ソクラテスのカフェ2/マルク・ソーテ

実はこの本は三部作だったのだ。 第1部がパリのカフェでの哲学論議の話で、第2部、第3部がこの本である。 哲学史の読み解きが第2部、そして古代ギリシア都市国家の衰退原因の分析とニーチェから現代の読み解きが第3部である。 実は哲学カフェの話はおまけな…

ソクラテスのカフェ/マルク・ソーテ

この本もまた図書館で借りた。 何年か前に読んだ事がある気がする。 パリのカフェでの哲学論議を仕掛けていた哲学者らしい。 たぶん同じような事をやろうとしてた動きがあって、その頃に読んだような気がする。 アカデミックな場所から哲学を解き放って、人…

人は、なぜ他人を許せないのか?/中野信子

この本もまた図書館で借りた。 順番待ちが50人以上で、予約してから半年近くかかったんじゃないだろうか。 脳科学者による正義中毒についての考察である。 面白いのは発生原因が脳内物質によるものなのに、対応策はそうじゃないという点である。 すべての現…

一〇一年目の孤独/高橋源一郎

高橋源一郎を知ったのは、高校生の頃。 「さようなら、ギャングたち」と、あと何冊かを読んだ記憶がある。 80'sの頃は、こういう小説が新しくて、なんだかすごいと思っていたのだ。 10代から20代の頃の価値判断なんてそんなもので、浅はかな知識と思考で選択…

モンテーニュ 人生を旅するための7章/宮下志朗

最近、モンテーニュ、エラスムス、パスカルといった、西欧近代初頭の思想家が気になる。 中世から近代への転換は、神の視点から人間の視点という変更があったのではないか、と推測している。 だが一括りにそう言ってみたところで、何も考えたり言ったことに…

織田作之助全集

断続的に読み続けていたので、半年ぐらい掛かったろうか。 織田作之助の名前は知っていてもほとんど読んでいなかった。 青空文庫で何篇かつまみ読みしてみたら、案外面白かったので、全集を手に入れてみた。 青空文庫で無料公開しているものが、纏まると有料…

ジョン・ハンケ 世界をめぐる冒険/ジョン・ハンケ

この本も図書館で借りた。 現NianticのCEOで、かつてはGoogle Earthの中心人物であったジョン・ハンケ氏の自伝、というか思い出話。 Field TripやIngressに対する氏の思いが溢れている。 たぶん彼の仕事に興味の無い人には何も響かないだろうか。 ジョン・ハ…